薬剤師のチラシ裏

【ロキソニンSはCMで有名】ロキソプロフェンNa錠60mgは飲みすぎると腎臓の機能が低下するのか。胃腸障害より注意すべき!?

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ロキソプロフェンNa錠60mgはロキソニン錠60mgの一般名称です。

しばしばCMで見るのはロキソニンSという商品名でOTCと呼ばれる医薬品です。

痛くなったらロキソニン。

熱が出たらロキソニン。

みんな大好きロキソニン。

何度も何度も飲んでいるけど、胃さえ大丈夫だったら問題ないんでしょうか?

出典:第一三共ヘルスケアHP

ロキソプロフェンNa錠60mgの副作用

ロキソニンの添付文書で見てみよう

医療用ロキソニン錠60mgの添付文書

OTCロキソニンS錠の添付文書

どちらにも記載がありますが、医療用の方が詳細に記載されているので抜粋します。


重要な基本的注意

5. 腎障害又はその既往歴のある患者[浮腫、蛋白尿、血清クレアチニン上昇、高カリウム血症等の副作用が起こることがある。]


重大な副作用

4. **急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎
頻度不明 
急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、急性腎障害に伴い高カリウム血症があらわれることがあるので、特に注意すること。

ロキソニン錠60mg添付文書より引用

痛み止めと聞くと、副作用として胃腸障害を心配される方が多いです。

確かに胃腸障害はメジャーな副作用ではありますが、ガスターなどのH2ブロッカーなどで予防はしやすくなっています。

しかしここ数年、痛み止めの乱用により腎機能が低下してしまう症例が多数存在することが分かってきたのです。

腎臓の働き

腎臓は皆さんも知っての通り、尿を作り、体から不要なものを排泄する器官です。
また、腎臓の機能の評価は腎臓の血流量によって評価されています。

からだケアナビより引用

腎臓には血液が流れ込み、ろ過されて尿が作られます。

たくさんの血液が流れ込めば、たくさんの尿が作られます。逆に少ししか血液が流れなければ作られる尿は少量となります。

腎臓は老廃物を排泄する器官なので、いらないものを出そうと頑張りますが、流れ込む血液の量が十分でないとどうなるでしょうか。

老廃物は体にとっては不要ですし、溜めておくと体に良い影響はありません。

何とか体からいらないものを出すために、少量の尿に老廃物を詰め込むように過剰に腎臓が頑張ってしまいます。

ロキソプロフェンNa錠60mgの働き

田辺三菱製薬HPより引用

ロキソニンに代表される薬の系統を非ステロイド性抗炎症薬(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)といい、略してNSAIDS(えぬせいず)と呼ばれています。

上図のように、シクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素の働きを阻害し、プロスタグランジン(PG)をの量を抑えることで解熱鎮痛作用を示します。

厳密に言うと、炎症や発熱を増強させるのはCOXによって作られるプロスタグランジンE2(PGE2)やI2(PGI2)が原因です。

そして、このPGE2ですが、胃腸の保護や腎臓の血流に大きく関わっています。

腎機能とプロスタグランジン

腎臓への血管はPGE2によって拡がり、腎血流量が増大します。
逆にPGE2が無ければ血管は拡がらず、腎血流量は増えません。

これはロキソプロフェンNa錠60mgのようなNSAIDSによってCOXが阻害され、PGE2が減り、腎臓の血流量が低下することを示しています。

つまり、ロキソプロフェンNa錠60mgを飲むと痛みや熱に効くけど、胃の粘膜の機能低下や腎臓のろ過機能が低下しますよということですね。

尚、保険の適用外の使用ではありますが、腎臓の血流量が減ることを利用して、夜間の頻尿に対して使われるケースも稀にあるようです。ただ、この場合は1日1回の眠前のみの服用のことが多いようで、日中は服用することはありません。

慢性腎不全に注意しよう

これらの副作用は一時的な服用であれば特に問題はないのですが、数か月、数年に渡る鎮痛剤の服用で腎機能の低下が起こっています。
特に高齢者では、年齢に伴う腎機能の低下と併せてNSAIDSの長期使用によって高度腎障害へ移行していた例も珍しくありません。

本人に体調不良の自覚が出にくく、気付いた時には腎不全手前まで進んでいるといったことも十分にあり得ます。

長期に渡る鎮痛剤の使用においては、定期的な腎機能の検査が必要と考えます。

もし、ロキソプロフェンNa錠60mgなど痛み止めを長いこと飲んでいるけど、しばらく血液検査をしていないという方がいるようなら医師に腎機能の検査を申し出てくださいね。