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新型コロナに感染したあとに出てくる後遺症
新型コロナの感染も現在はオミクロン株が主流になってきているのはご存じの通りですね。
アルファ株やデルタ株のときのような医療切迫は無いにしろ、その感染力は今までの株を上回るとされています。
ただの風邪のような症状しか出ないから問題ないという認識の人も少なからずいるようですが、実際に感染した人からはその後の後遺症の苦しさがSNSなどで毎日のようにアップされています。
コロナ感染当初から痺れ感や炎症感が続いています
— おたんこ元Ns PCR陽性→コロナ後遺症(ME/CFS.FMS)と闘ってます (@C2riIzUjSjnxhUX) May 24, 2022
最近は血便や不正出血していたと思ったら、このところ口の中が火傷の爛れています
ブレインフォグは相変わらず、疲労感も続いています
ステロイドで身体の痛みは軽減していますが
コロナの死者少なきゃいいの?
私は社会的に死んでます#コロナ後遺症
コロナ後遺症で日に3回以上嘔吐と下痢がある次男。虚弱で1日学校へ行く体力もなくなってしまった。学校は病児の理解が乏しく虐げられる日々。悪化する体調。八方塞がりになる矢先に入院決定。家族の希望ではなく医師の指示。ズバッと2週間以上の入院と言われた時は耳を疑ったけど、院内学級もあり、
— 珈琲ちゃん (@ko_hi_chan) May 21, 2022
後遺症診療の指針(埼玉県医師会)

埼玉県医師会が後遺症の診療に関して症例をまとめていたので紹介します。
症例数としては422例です。男女比、年齢比は以下の通りです。

後遺症の報告例は男性が多めだったようです。

男女比では合計422例だったのに、年齢比になると416例となっています。
数が合わないのはおそらくは年齢の確認が不十分であったのでしょう。

後遺症の訴えの内訳はこのようになっています。
実際に診療を行った診療科が色分けで示されていますが、訴えとしての割合を見ていきましょう。
嗅覚障害 25.6%
動悸・息切れ・高級困難 16.6%
倦怠感 15.6%
咳・痰 14.7%
脱毛 9.7%
思っていた以上に嗅覚に異常を訴える人が多い印象です。
コロナ後遺症の治療について
数日で治る場合もあれば、数か月を必要とする場合もあります。
劇的な変化は見られなくても、昨日より少しでも良くなっていれば改善に向かっていると考えても良いでしょう。
症状によりますが、症状のピークが数週間後にきた後に緩やかに改善していった味覚症状の例などもあります。
嗅覚障害の治療
治療としては点鼻薬、亜鉛、漢方の服用、嗅覚トレーニングが行われています。
点鼻薬
ステロイドや血管収縮剤を含む点鼻薬が使われています。
ステロイドを含む点鼻薬は市販されていませんので、医師の診察が必要です。
血管収縮剤を含む点鼻薬は長期間の連用で症状の悪化を招く可能性があるので、自己判断での使用はお勧めできません。
亜鉛
皮膚や粘膜を正常に保つために必要な微量元素として亜鉛があります。
市販薬としてはサプリメントとして様々なものがありますが、吸収率が良く、むかつきの少ない亜鉛としてはビスグリシン酸亜鉛を主成分とするものを選ぶと良いでしょう。
Amazonでの取り扱い商品としてはこちらがヒットしました。

英語での表記となりますが、ここに亜鉛の含有量が記載されています。
亜鉛は他の物質と結びつくことで安定性・吸収性が向上しますが、このビスグリシン酸亜鉛が他の亜鉛に比べて安定性・吸収性が高いとされています。
亜鉛は大量に摂取すると胃への負担が大きく、むかつきが出ることもあるので、ビスグリシン酸亜鉛を選ぶことをおすすめします。

尚、ネイチャーメイド亜鉛に含まれているのはグルコン酸亜鉛です。
ビスグリシン酸亜鉛に比べると吸収率が低く、むかつきなどの症状が出やすいとされています。
漢方
当帰芍薬散、人参養栄湯、加味帰脾湯が使われています。
正直なところ、何が効くのかがはっきり分かりません。
おそらくはホルモンバランスの乱れなどに起因する不定愁訴のような症状として捉えて治療して良いと思います。
当帰芍薬散
貧血、倦怠感、更年期障害、月経不順、月経痛、どうき、妊娠中の諸症状の治療に使用されます。
通常、筋肉が一体に軟弱で疲労しやすく、腰脚の冷えやすい人に用いられます。
人参養栄湯
病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血の治療に使用されます。
加味帰脾湯
貧血、不眠症、精神不安、神経症の治療に使用されます。
通常、虚弱体質で血色の悪い人に用いられます。
嗅覚トレーニング
嗅覚トレーニングとして、以下のような方法が行われています。
- それぞれの匂いを1日2回、15秒ずつ嗅ぎます。
- 何の匂いか意識しながら嗅ぐとより効果的です。
- 良い匂いだけでなく、臭い匂いなど様々な匂いを嗅ぐようにしましょう。
嗅覚障害のリハビリで実際に使われているセットです。
自宅でトレーニングを行いたい方はチェックしてみてください。
動悸・息切れ・呼吸困難
レントゲンなどの検査では異常がないことが多いようです。
吸入薬で改善することもありますが、日数の経過によって改善してくることが多いです。
倦怠感
非常に良く耳にする後遺症として有名なのが倦怠感でしょうか。
体が重い・だるい、疲れやすいといった症状がコロナ治療後に現れることがあります。
補中益気湯を使って改善されたケースもあるようです。
補中益気湯
夏やせ、病後の体力増強、食欲不振、胃下垂、かぜ、痔、脱肛、子宮下垂、陰萎、多汗症の治療に使用され
ます。
通常、消化機能が衰え、四肢倦怠感著しい虚弱体質者に用いられます。
ブレインフォグ
頭の中に白くモヤがかかった感じという表現がしばしば使われます。
考えがうまくまとまらなくて、相手も、また自分も何を言っているのかわからない、認識ができない状態です。
釣藤散
脱毛
脱毛に関しても基本的には対象療法となります。
ステロイドや塩化カプロニウムなどの外用が使われます。
味覚障害
嗅覚障害の治療法でも紹介しましたが、味覚障害でも亜鉛の効果が実証されています。
咳
基本的には対症療法で咳止めを使います。
喫煙している人は悪化する傾向があるようなので、禁煙を強くお勧めします。
ステロイドなどの吸入薬で改善することも多いようです。
また、一部ではありますが咳と胸の痛みを訴える場合に逆流性食道炎の薬が効いた例もあるようです。
ランソプラゾールやラベプラゾールなどのPPIや市販薬であればガスター10などを使っても良いでしょう。
ガスター10
個人的には口の中で溶ける方が好みなので、こちらを紹介しておきます。