新型コロナの影響で延期されていたアンサングシンデレラ。
遂に放送が開始されますね!
個人的に、いや、周りの薬剤師もかなり楽しみにしています。
それもそのはず、『薬剤師』にスポットを当てたドラマは初めてです。
『ラジエーションハウス』という放射線科のドラマが出たときも、「おおっ!」となったものですが、結局主人公は医師免許を持っていて、読影のスペシャリストというチート性能持ちでした。
医師、看護師は言わずもがなドラマ1シーズンにつき少なくとも1つは顔を出す人気職業ですよね。
患者さんから面と向かって『ありがとう』を言われる職業は、視聴者の共感を得やすく、視聴率に繋がりやすいというメリットがあるのでドラマ化しやすいのは頷けます。
そんな中で、『薬剤師』という職業でドラマを作る決断をしたフジテレビさんには尊敬の念を抱かずにはいられません。
アンサングシンデレラは2020年7月17日22時よりフジテレビにて放送開始です。
主演は石原さとみさん(葵みどり役)ということで、めっちゃヒロイン感が強い気がしますね。
現役薬剤師が期待することを挙げていきます。
目次
患者さんとのリアルなやりとり

多分ここが現役の薬剤師が見て欲しいと思うランキングの上位に食い込んでくるのではないでしょうか。
他の医療従事者のドラマでもそうですが、最も共感が得やすいところであり、最もイレギュラーが起こりやすく、ドラマチックな展開となるのが患者さんとのやりとりだと思います。
おそらくこれを抜きにはドラマは作れないでしょう。
定型の対応はなく、常に個別の対応を迫られるのは医師や看護師だけでなく、他の医療従事者も同様です。
【3話まで見終えて】
共感できたのが、患者さんや他の医療従事者から『薬剤師さん』と呼ばれることが多いということ。
名前で呼ばれることが本当に少なく、自分も『薬剤師さん』と呼ばれると反応してしまうのが悲しいです。
薬剤師は医療職ではありますが、サービス業の側面も強く持ち合わせていますよね。
待ち時間の短縮に始まり、さまざまな対応を行い、顧客=患者満足度へ繋げていく必要があります。
患者さん一人ひとりに費やすことのできる時間は限られており、皆さんの中にもここにジレンマを感じている方が多いのではないでしょうか。
他の医療従事者、特に医師とのやりとり

主に『処方せん』と『薬』というもので繋がっている医師と薬剤師ですが、実際の業務においては力関係が無視できません。
医師は『処方せん』を書く『処方権』という権限を持っており、薬剤師には『処方権』はありません。
その代わりに薬剤師は処方せんの内容に問題や疑問点があった場合に『疑義照会(ぎぎしょうかい)』を行うことができ、処方の内容変更を提案することができます。
要は薬剤師は医師にお伺いを立てて、医師が納得したときだけ処方せんの内容を変更することが可能となります。
極端な話、いくら薬剤師が医師に対して『処方内容が間違っているので変更すべき』ということを進言しても、医師が納得しなければ変更することはできません。
明らかにパワーバランスが医師>薬剤師となってしまっている現状を、ドラマで一体どのように表現できるのかが不安であり、期待もしています。
【3話まで見終えて】
若干ではありますが、医師至上主義に異議を唱えている表現もあって安心しました。
ただ現実は相変わらずで、流通規制のかかっている薬を処方してきた医師に、入荷未定のため代替案を提案したところ、『勝手に薬を変えるな!』というお叱り?を受けました。
具体的にはベオーバ錠からベタニス錠への変更を提案したわけですが、その医師からすると処方権に勝手に踏み入ったと思ったようです。
結局はベタニス錠への変更で落ち着きましたが、気分の良いものではありませんでしたね。
調剤業務のリアリティ

これも個人的には結構期待しているところです。
疑義照会、水剤、散剤、軟膏、一包化、輸液調整など、どれだけの業務を患者さんに薬を渡すまでに行っているのか。
診察が終わったら即薬が貰えると思って、薬の窓口で『遅い』、『早くしろ』などというクレームをつけてくるケースが少しでも減れば良いなと思っています。
あと、石原さとみがヒートから錠剤出す作業して指傷めてたりしたらときめいてしまうかもしれません。
らく錠くんかトリダスPRO使えなんて言えない・・・
あとは実際には期限管理とかもしていますが、さすがにそこまではドラマではやることはないでしょうね。
【3話まで見終えて】
一応、調剤をしているように見えるのですが、手元が見えないのでモヤモヤしています。
21錠のときはどの組み合わせで輪ゴムで留めるのか、ヒートの向きはどうするのかなど、大きい病院であれば厳密に定められているであろう調剤内規が見当たりません。
例えば21錠のときは10錠+5錠を基本にすることで1錠だけの端数が発生しにくくなります。
1錠のみで留められたヒートは、時として凶器に変わります。
いや、冗談抜きでめっちゃ飛ぶし、刺さるし。間違えて飲んだらえらいことになります。
西野七瀬が大根過ぎる件
新人薬剤師の相原くるみを西野七瀬さんが演じています。
ドラマを見た方皆さんも思うところがあったのではないでしょうか。
私も一目見たときから思いました。
『なんだこの大根役者は!??』
確かに西野七瀬さんは可愛らしいとは思います。
こんなビジュアルの薬剤師がいればいいなあとも思います。
ただ、いくらなんでもこの演技はひどくないでしょうか。
表情に乏しくて、話すときにほとんど口を開けない。
スピンオフ作品で主演を演じているようですが、少し役者をするのは早かったように思えて仕方ありません。
すぐにどうこうなるものでもないでしょう。数年後に期待しています。
まとめ
放送開始前の番組CMが流れただけで、SNSの自警看護師に槍玉に挙げられていたりしましたね。
ただ、それだけ他の医療職からも注目度が高いということです。
なかなか日の目を見ない薬剤師という職業にスポットが当たる数少ない機会に感謝して、今週のアンサングシンデレラを見ようかと思います。