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アレグラ、クラリチンなどが自費になるかも。
健康保険組合連合会(けんぽれん)は2019年8月23日、「次期診療報酬改定に向けた政策提言(政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究結果Ⅳ)」について厚生労働省で記者会見を行いました。
その中でひと際目を引く内容があったので紹介します。

出典:健保連HP「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究Ⅳ」 概要版 (PDF)
花粉症の治療薬で市販されているものと同一成分のものは保険適用が無くなりそうです。
例えばアレグラやクラチリンがこれに該当しますね。
要約すると、
『元々病院を受診しないともらえなかった薬をせっかく一般販売できるようにしたんだから、そっちをメインで使ってね。セルフメディケーションっていう大義名分で、医療費を下げる目的にも合致するしwin-winでしょう』
という感じでしょうか。
じゃあ処方せんで薬を出してもらったら自己負担金はどうなるの?
はい。それはもう高くなりますよ。
けんぽれんが挙げている短期間として初診で14日の処方の場合を試算してみます。
処方内容は以下の通りとします。
Rp アレグラ錠60mg 2錠 1日2回朝夕食後 14日分(28錠分)
この処方を薬局にて調剤を行うと以下のような点数が算定されます。
調剤基本料 41点
薬剤服用歴管理指導料 53点
内服調剤料 63点
薬剤料 154点
合計 311点
通常、薬局は1点=10円で計算を行うため、上の処方の場合自己負担金額は3,110円となります。
尚、後発医薬品調剤体制加算、地域体制加算は含めておらず、薬局によってはさらに高額となる可能性があります。
市販薬の方が安い罠。
アレグラの場合、市販薬だといくらくらいなのでしょうか。

驚きの28錠で1,200円!!
第2類医薬品になったこともあって価格が崩れたんでしょうか。
第1類医薬品だった頃は定価販売のみだったのに…
さて、こうなってくると処方せんでの価格をどうにかするんでしょうか。
いや、むしろこの価格の差を付けたままにしておくことで市販薬の購買を進めていくという方針もあるかもしれませんね。
過去にはヒルドイドなども槍玉に挙がっていました
『究極の保湿剤!』
『安くて効果が出る化粧水』
ネットで良く見る記事ですが、こういった煽りの記事が多いせいか、異常な量のヒルドイド系薬剤を処方されているケースを目にします。
私の目の届く範囲かと思っていたら、全国的に異常な量の処方がされているようで、医療費を削減したい保険者からすると真っ先に抑えたかったようです。
内容は今回と同様に『ヒルドイドなどの保湿剤は保険適用外とする』といったものです。
一旦は見送られましたが、そのうち議論が再燃するのは明らかでしょう。
2020年2月26日追記:2020年診療報酬では見送られそうです
2020年の診療報酬改定においては本件は見送られそうです。
実現すると医師側の収益の問題も出てくるでしょうし、先ず医師会が黙っていないでしょうね。