薬剤師のチラシ裏

お薬手帳アプリは高齢者や薬局にハードルが高い件。

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お薬手帳アプリは高齢者や薬局にハードルが高い件。

病院を受診するときはほぼ当然のようになりつつあるお薬手帳ですが、数年前から電子化が推進されているのは皆さんもご存知でしょう。

従来の紙媒体から電子媒体へ移行が期待されていた

元々は紙媒体であったお薬手帳を、スマホの普及に便乗して電子媒体へ移していこうとしていました。
情報社会へのとっかかりとしては至極当然のように思えます。

電子お薬手帳のメリットとしては

  • スマホは常に持ち歩くので忘れない
  • デジタルのデータのため、擦れたりして読めなくなることが無い
  • インターネットに接続すれば全国どこでも内容が確認できる

以上のようなことが挙げられます。

お薬手帳を発行したものの、医療機関へ忘れていく人が多数いるのは事実です。紙媒体を無くすことでその数を減らそうという目的がありました。

お薬手帳アプリは多種類存在します

電子お薬手帳は、約30社からスマホのアプリという形で出されています。

それぞれのアプリは仕様が異なり、使い方もバラバラです。

しかし、eお薬linkという日本薬剤師会が管理するシステムに対応しているアプリであれば全国どこでも内容を確認したり、保存したりすることができます。

お薬手帳アプリ使える薬局が少ない問題

導入から3年ほどが経過していますが、電子お薬手帳を使える薬局は全国の約半数程度に留まります。

導入が進まない理由として厚労省が薬局へ行ったアンケートにて以下のような回答が得られました。

出典:中協医総会資料
  1. 希望する患者がいない(45.9%)
  2. 導入費用の負担が大きい(33.3%)
  3. 必要性を感じていない(25.1%)
  4. 運用費用の負担が大きい(23.5%)

また、電子お薬手帳を持っているのは全体の薬11%です。

病院通いをするような高齢者はおそらくこの所持率には含まれていないでしょう。
若年層のみに絞った場合には所持率は上がり、高齢者は大きく下がるものと思われます。

お薬手帳アプリ高齢者にはハードルが高すぎる問題

お薬手帳が最も必要なのは高齢者です。

毎日のように複数の医療機関をはしごして、医師も十分な確認ができないままに処方がされているのが現状です。
その高齢者にとって、この電子お薬手帳アプリへのハードルがいかに高いかということを国は少しでも考えたのでしょうか。

そもそもスマホの使い方も怪しい状態で、電子お薬手帳アプリを使い始めたときに誰がアプリの使い方をレクチャーするんでしょうか。

薬局の薬剤師?事務員?

すべてを現場に投げてしまうような政策であれば必要ないと考えます。

お薬手帳アプリ必要な時に見られない問題

例えば救急搬送が必要な患者の薬の情報を確認しようとしたときに、スマホにロックがかかっていると一切内容を確認することができません。

また薬局に比べ、病院の電子お薬手帳の導入はさらに遅れていると思われ、診察時には患者のスマホ画面を見せてもらい、その内容を改めてカルテへと転記する必要があります。

まとめ

上記のような問題があり、なかなか導入が進んでいないのが現実です。

ですが、これからの情報社会においては必要になってくるシステムだと思います。

医療機関への負担軽減、アプリの統一化、また今後は保険証とマイナンバーの紐づけが進むことから、電子お薬手帳とマイナンバーへの紐づけも行うことができればより利便性を高めることができると考えます。