アストラゼネカ製ワクチンの接種も開始されました。
原則、40歳以上に対しての使用となります。
ちなみに、このワクチンの名前はVaxzevriaと命名されており、日本語ではバキスゼブリアと読みます。
命名のセンスは・・・なんとも言えません。
バキスゼブリア(ワクチンの名前ですよ?)の添付文書によると副反応の割合は次のようになっています。
疲労 1回目の接種後49.6% 2回目の接種後26.8%
頭痛 1回目の接種後48.6% 2回目の接種後26.7%
筋肉痛 1回目の接種後40.3% 2回目の接種後18.9%
38度以上の発熱 1回目の接種後7.1% 2回目の接種後1.2%など
ファイザーやモデルナのワクチンでは、2回目に副反応が強く出る傾向があると言われていますが、このアストラゼネカのワクチンにおいては逆となっています。
つまり、アストラゼネカのワクチンは1回目の接種で副反応が出るが、2回目には軽減されるということです。
この違いはワクチン自体に違いがあるようです。
ファイザー、モデルナはmRNAが本体であるのに対し、アストラゼネカワクチンはウイルスベクターが本体となっています。
まとめたものがNHKのホームページに記載されていましたので以下に引用します。
ファイザー | モデルナ | アストラゼネカ | |
---|---|---|---|
副反応 | 【疼痛】 1回目 92.6% 2回目 89.5% 【けん怠感】 1回目 23.2% 2回目 68.9% 【頭痛】 1回目 21.4% 2回目 53.1% 【かゆみ】 1回目 8.0% 2回目 11.9% 【38度以上の発熱】 1回目 0.9% 2回目 21.3%※2021年8月4日に専門部会で示された厚労省研究班資料より | 【疼痛】 1回目 86.5% 2回目 88.2% 【けん怠感】 1回目 26.8% 2回目 83.9% 【頭痛】 1回目 17.4% 2回目 67.6% 【かゆみ】 1回目 5.3% 2回目 13.7% 【38度以上の発熱】 1回目 2.1% 2回目 61.9%※2021年8月4日に専門部会で示された厚労省研究班資料より | 【疲労】 1回目 49.6% 2回目 26.8% 【頭痛】 1回目 48.6% 2回目 26.7% 【筋肉痛】 1回目 40.3% 2回目 18.9% 【38度以上の発熱】 1回目 7.1% 2回目 1.2%※ワクチンの添付文書より |
接種回数と間隔 | 2回 3週間あけて2回目 | 2回 4週間あけて2回目 | 2回 4週から12週間あけて2回目(8週間以上おくのがのぞましい) |
保管温度と期間 | -25度から-15度で最長14日間保管 | 2度から8度の冷蔵庫で30日間保管 | 2度から8度の冷蔵庫で6か月間保管 |
供給量 | 年内に9700万人分 | ことし9月までに2500万人分 | 年内に6000万人分 |
目次
アストラゼネカ社製ワクチン接種時の解熱鎮痛剤を使うタイミング
抜歯や手術など侵襲性の高い処置をする際には予防的服用も有効なのですが、振り返ってみると、今回のワクチン接種においてはそこまで厳密な服用は必要ではなかったように思います。
必要のない薬はいたずらに体への負担を上げてしまう可能性もあるので、最小限に留めておくのが良いでしょう。
接種前に解熱鎮痛剤を服用
推奨度2
接種後の当日夜に解熱鎮痛剤を服用
推奨度3.5
発熱、倦怠感や頭痛などの症状が出てから服用
推奨度5
アストラゼネカ社製ワクチンに関しては、ファイザー、モデルナのワクチンと異なり、初回の副反応の割合が高いです。
解熱剤の用意は初回からしておいた方が良いでしょう。
ワクチン接種後に副反応と思われる症状が出た場合は迷わず解熱鎮痛剤を服用しても構いません。ただし、解熱鎮痛剤で対処できないと思われる症状が出た場合は自己判断で服用せずに医師に相談するようにしてください。
ここからはコロナワクチン接種後の副反応に対して使いやすい薬を紹介していきます。
薬剤師おすすめの市販薬紹介
カロナール錠(アセトアミノフェン)
成分名 | アセトアミノフェン(添付文書) |
---|---|
効能・効果 | 解熱・鎮痛 |
医療用の販売規格 | 錠剤(200・300・500mg) |
カロナールが有名ですが、コカール錠という名前でも販売されていた時期があります。成人で解熱鎮痛で使用する場合、アセトアミノフェンとして300~500mgの間で使用するように添付文書に記載されています。
現在はアセトアミノフェン錠に統一されつつありますので、そのうちカロナールという名称も無くなるかもしれません。
薬の特徴としては発売されてからの使用経験が長く、小児や妊婦、授乳婦の解熱鎮痛剤としての第一選択とされるなど安全性が高い点が挙げられます。
胃腸障害が見られにくく、空腹時の服用も問題ありません。
他剤との相互作用もほぼないため、使いやすい薬と言えます。
しかしながら極まれに肝機能障害を起こす可能性が示唆されていますので、この点には注意が必要です。
市販薬でアセトアミノフェン単独処方の商品
カロナール錠は医療用のため、一般の販売はされていません。
ですが、その成分であるアセトアミノフェンに関しては規制のある成分ではないため、一般の薬として販売もされています。
市販薬を選ぶときは成分名にアセトアミノフェンのみが記載されている製品を選ぶと安心できるかと思います。
最近はタイレノールが品薄になっており、なかなか手に入りにくい状況になっています。
同成分のもので、使いやすい製品を紹介していきます。
尚、皆さんの利便性を考えて全てAmazonでの取り扱い商品を中心に紹介しています。
ラックル速溶錠
お勧め度
●成分・分量
1錠中 アセトアミノフェン300mg
添加物 トウモロコシデンプン、セルロース、l-メントール、エリスリトール、
ステアリン酸マグネシウム、無水ケイ酸、
アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、
アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、アセスルファムカリウム、赤色3号
1錠当たり300mg含まれています。
成人で解熱鎮痛で使用する場合、アセトアミノフェンとして300~500mgの間で使用するようにカロナールの添付文書に記載されていますので、300mgを使用するなら8回分に相当します。
子ども用の製品としてはもっと低用量のものがありますが、1錠が50mgや100mgだったり何錠も飲まなければならないため実用性に欠けるため、こちらの製品をお勧めしています。
アセトアミノフェンK錠
お勧め度
●成分・分量
9錠中
アセトアミノフェン・・・900mg
添加物:ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg、無水ケイ酸、セルロース
36錠包装。1錠あたりアセトアミノフェン100mg含有。
1回300mg服用の場合、12回分に相当します。
薬師鎮痛薬
お勧め度
●成分・分量
9錠中 アセトアミノフェン 900mg 添加物 :ヒドロキシプロピルセルロース、CMC-Ca、メチルセルロース、ステアリン酸Mg、 乳糖水和物、還元麦芽糖水アメ、セルロース
36錠包装。1錠あたりアセトアミノフェン100mg含有。
1回300mg服用の場合、12回分に相当します。
バファリンルナJ
お勧め度
1錠中
アセトアミノフェン100mg
添加物として、エチルセルロース、ラウリル硫酸Na、セタノール、トリアセチン、
合成ヒドロタルサイト、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、
ヒドロキシプロピルセルロース、スクラロース、l-メントール、香料、
デキストリン、バニリン、ステアリン酸Mgを含有する。
12錠包装。1錠あたりアセトアミノフェン100mg含有。
1回300mg服用の場合、4回分に相当します。
子どもに向けて販売されている商品です。
小中学生用ノーシンピュア
お勧め度
●成分・分量
2錠中
アセトアミノフェン 200mg
アリルイソプロピルアセチル尿素 30mg
無水カフェイン 40mg
添加物としてセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、無水ケイ酸、
CMC-Ca、ステアリン酸Mg、カルナウバロウ、ヒプロメロース、酸化チタン
を含有する。
24錠包装。1錠あたりアセトアミノフェン100mg含有。
1回300mg服用の場合8回分に相当します。
紹介している商品の中ではこれのみアリルイソプロピルアセチル尿素が含まれているため、眠気などの副作用が起こる可能性があります。
また、カフェインが含まれているため、妊婦、授乳婦には使いづらいかもしれません。
ただ、頭痛がある場合にはアセトアミノフェン単独に比べて効果が高いと考えられるので、症状によっては第一選択となるでしょう。
ブルフェン錠(イブプロフェン)
成分名 | イブプロフェン(添付文書) |
---|---|
効能・効果 | 解熱・鎮痛 |
医療用の販売規格 | 錠剤(100・200mg) |
こちらもアセトアミノフェンと同様に子どもでも使いやすい薬として昔から使用されてきました。医療用医薬品としてはブルフェン錠が有名でしょうか。
鎮痛目的で使われることが多いですが、解熱剤としての使用も可能です。
添付文書においては成人に対して1回200mg、1日最高用量は600mgまで使用することができます。
アセトアミノフェンと異なり、胃腸への負担があるので胃潰瘍など消化性潰瘍のある方は服用できないので注意が必要です。
市販薬でイブプロフェン単独処方の商品
アセトアミノフェンと同じく、有効成分単独処方の商品を選ぶ方が余計な副作用を考えなくて使いやすいでしょう。
アセトアミノフェン製剤に比べて商品在庫は潤沢にあるようなので、持病の無い方はこちらを選んでも問題ありません。
イブ
お勧め度
●成分・分量
2錠中
成分・・・分量
イブプロフェン・・・150mg
添加物:無水ケイ酸、セルロース、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒプロメロース、マクロゴール、ステアリン酸Mg、タルク、酸化チタン
普通錠ですが、1錠当たり75mgと微妙な成分量となっています。
逆に言うと、多すぎず少なすぎずで調節をしたい方にはぴったりな商品でしょう。
イブメルト
お勧め度
●成分・分量
1錠中
イブプロフェン・・・・・・・・・・・・・200mg
添加物:無水ケイ酸、セルロース、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、
ステアリン酸Mg、タルク、トウモロコシデンプン、
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、メタクリル酸コポリマーLD、
ラウリル硫酸Na、ポリソルベート80、クエン酸トリエチル、
アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、アセスルファムカリウム、
DL-リンゴ酸、香料
1錠にイブプロフェン200mgを含み、通常成人量をちょうど満たしている商品です。
本商品は更に口の中で溶ける口腔崩壊錠となっており、状況を選ばずにいつでも服用できるというメリットがあります。
発熱などでしんどい時などは飲みやすい商品と言えるでしょう。
カロナール(アセトアミノフェン)やブルフェン(イブプロフェン)以外の解熱鎮痛剤でもいいいの?
確かにアセトアミノフェン製剤が安全性が高く、誰にでも使いやすいのは事実です。
しかしながら、ワクチン接種後の解熱鎮痛剤がアセトアミノフェンでないといけない理由もありません。
使える薬に制限のない方であれば、イブプロフェンなど使い慣れた薬を飲んでいただければ特に問題はないとされています。
ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)に関してはこちらの記事も確認して頂けるとより安全に使うことができるかと思います。