新型コロナワクチンの一般接種が広く始まっています。
このワクチン接種の副反応として、発熱、倦怠感、頭痛は2回目の接種した人の半数近くが経験しているようです。
周囲から接種の話を聞く機会が増えてきていると思いますが、その時に副反応に対して使った薬の話を聞く人も多いのではないでしょうか。
当サイトでもワクチン接種に対する薬としてアセトアミノフェンを推奨していますが、タイレノールを始めとするアセトアミノフェン単剤の市販薬がことごとく品薄になっているとのことです。
『じゃあ病院でカロナールを処方してもらおう』
そう思った方はちょっと待ってください。

目次
健康保険が適用されるもの
そもそも、健康保険が適用されるものは以下のようなケースです。

出典:公的保険アドバイザー協会HP
基本的な考え方として、病気にならないと健康保険を使うことができません。
すなわち予防での健康保険の適用は認められていません。
例えば風邪の予防でうがい薬を出してもらったり、疲労予防にビタミン剤を出してもらったりといった場合は一切健康保険が使えません。
ワクチン接種用にカロナールを処方してもらえるのか
結論から言うと、ワクチン接種の際に発熱するかもしれないからカロナールを処方してもらうということはできません。
ワクチン接種は病気ではありませんし、まだ症状の出ていない状態に対して健康保険を使って薬を出すことはできないということです。
仮にこれを認めてしまうと、
『血圧が上がるかもしれないから』
『コレステロールが上がるかもしれないから』
果ては『肌荒れするかもしれないから』
という感じで、際限なく健康保険が使われてしまう可能性が出てきます。
際限なく使われてしまうとどうなるか、医療費がえらいことになります。マジで。
アセトアミノフェンを手に入れるにはどうすれば良い?
健康保険は使えないということならどうすればいいの?という声が聞こえてきそうなので、更に解説します。
ちなみにアセトアミノフェン市販薬は品薄のため、選択肢から外します。
じゃあやっぱりカロナールにしましょう。となるんですが、ここで重要なのが、『健康保険を使わない(使えない)』という点です。
そもそもの話、病院で薬をもらうに当たってその方法には大きく2通りあります。
・健康保険を使う
・自費で支払う
健康保険を使うケースは上で説明した通り、使用できる範囲が限られています。
逆に自費で支払う場合は制限はありません。
極端な話、どんな薬であっても自由に使うことができます。
ただし自費の処方せんを書いてもらう場合は医師の責任も兼ねるので、ある程度の制限は発生してきますが。
さて、自費で支払うケースにおいては更に1パターンがあります。
調剤薬局で直接購入するケースです。
この場合、医師を介さずカロナールを購入することができます。
薬局でカロナールを購入するには
ここで言う薬局とは調剤室を備えたいわゆる調剤薬局です。
カロナールは医療用医薬品に該当し、調剤室が無い場合は医療用医薬品は扱うことができません。
また、カロナールは『処方せん医薬品』という分類に該当しないため購入することができます。
ただ、ここで注意してほしいのが『購入することができる』だけであって、薬局側からすると販売の義務はありません。
処方せんなしで医療用医薬品を販売するにあたって、薬局側は患者の名前、連絡先、アレルギーや病歴など通常の処方せんの受付時と変わらないレベルの確認をする必要があります。
確認するだけでなく、これらの情報はすべて保管しておく必要がありますので、非常に手続きが煩雑と言わざるを得ません。
日本の調剤薬局はどこでもカロナールを購入できますが、どこでも売ってもらえるわけではないということです。
先に薬局に確認がおすすめ
上で話したように、医療用医薬品の販売には難しい面があります。
ただ販売自体は可能であり、最近では薬剤師会としてワクチンの副反応に対する薬の販売を案内していることもあり、前向きに対応してくれる薬局もあるようです。
飛び込みでの購入ではおそらく断られることも多いとは思いますが、予めの連絡があれば準備も可能であり、対応してもらえるところも多いのではないでしょうか。