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コロナワクチンがたくさんあり過ぎて分からない
コロナワクチンが出てきて1年以上が経ちます。
ファイザーから始まり、モデルナ、アストラゼネカ、最近ではノババックスからワクチンが製造、販売されています。
横文字が多すぎて分からなくなりますが、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ノババックスはすべて製薬会社の名前です。
厚労省のページでもワクチンの説明はありますが、用語らしきものが多すぎて『何を言っているのか分からないぜ…』という状態になった人も多いのではないでしょうか。
なるべくかみ砕いて分かりやすくを目指して解説してみました。
ファイザー/モデルナ
ここだけ読めば分かる!!ファイザーとモデルナ
ファイザー、モデルナは新型コロナウイルスの表面に付いている目印を作るための設計図がワクチンに入っています。
体の中でこの目印を作ると、体が新型コロナウイルスのことを覚えます。
初めて見るウイルスだと体は気付くまでに時間がかかりますが、目印を覚えていればコロナウイルスが体に入ってきたときにいち早く気付いてやっつけることができるようになります。
詳しく解説してみます
ファイザー、モデルナは新型コロナウイルスの表面に付いているスパイクタンパク質を作るmRNA(メッセンジャーRNAと読みます)というものがワクチンの本体です。
mRNAがヒトの細胞に取り込まれると、このmRNAによってコロナウイルスのスパイクタンパク質が作られ、体の免疫にコロナウイルスを覚えさせます。
コロナウイルスを覚えた免疫は、体の中にコロナウイルスが入ってきたときにはいち早く反応してくれるようになります。
似た名前としてDNAがあります。DNAは遺伝子情報を含みますが、それ自体は何の働きもありません。
それに対してmRNAはタンパク質を構成する設計図としての役割を担います。
mRNAを元にアミノ酸が順番に並べられてタンパク質が出来上がります。
ちなみに何らかの機能を持っているのはすべてタンパク質の状態です。アミノ酸の状態では何の機能もありません。
スパイクタンパク質というのはウイルスの表面に付いているタンパク質で、細胞に侵入するときに使われます。ウイルスの種類によって決まった形をしているので、このスパイクタンパク質でウイルスを判断することもできます。
mRNAはとても壊れやすいので、低い温度での管理が必要となっています。当初はマイナス60~90℃という超低温での保管を必要とされていました。
日本でのワクチン接種が開始されるときに時々ニュースに取り上げられていたのはこの温度管理のことです。
現在ではマイナス15~25℃で14日間の保管がOKとなっていますが、長期保存に関しては相変わらずマイナス60~90℃の超低温が必須となっています。
アストラゼネカ
ここだけ読めば分かる!!アストラゼネカ
アストラゼネカは新型コロナウイルスの目印の設計図を運搬専門のウイルスに運んでもらいます。
体の中で目印を作ると、体が新型コロナウイルスのことを覚えます。
初めて見るウイルスだと体は気付くまでに時間がかかりますが、目印を覚えていればコロナウイルスが体に入ってきたときにいち早く気付いてやっつけることができるようになります。
詳しく解説してみます
アストラゼネカは新型コロナウイルスの遺伝子を組み替えて毒性を無くし、その一部をベクターウイルスと呼ばれる運搬専門のウイルスに入れたものが本体のワクチンです。
使われている新型コロナウイルスの一部とは、スパイクタンパク質(ウイルスを識別する目印)を作る部分です。
ヒトの細胞がスパイクタンパク質を作る遺伝子を取り込むと、その情報を元にスパイクタンパク質が作られ体の免疫にコロナウイルスを覚えさせます。
コロナウイルスを覚えた免疫は、体の中にコロナウイルスが入ってきたときにはいち早く反応してくれるようになります。
アストラゼネカは新型コロナウイルスの遺伝子情報を使っていますが、使うのは目印用のタンパク質となる部分だけです。
この遺伝子情報だけではヒトの細胞に入ることができないため、『ベクターウイルス』という運び屋を使う必要があります。
このベクターウイルスに関してもヒトの細胞へ遺伝子情報を届けることしかできません。
保管に関しては比較的安定なため、2~8℃と通常の冷蔵庫での保管が可能なほど安定です。
ノババックス
ここだけ読めば分かる!!ノババックス
ノババックスは新型コロナウイルスの目印に良く似たものと一緒に、体の免疫が良く働いてくれるものを体の外で先に作っておくワクチンです。
この目印が体の中に入ると、ヒトの体が新型コロナウイルスのことを覚えます。
初めて見るウイルスだと体は気付くまでに時間がかかりますが、目印を覚えていればコロナウイルスが体に入ってきたときにいち早く気付いてやっつけることができるようになります。
詳しく解説してみます
ノババックスはウイルスの表面に付いているスパイクタンパク質に似せた人工のタンパク質と、免疫機能を強くするアジュバントというものを一緒に入れたものです。
新型コロナウイルスのスパイクタンパク質とは完全に一緒ではありませんが、ヒトの免疫が新型コロナウイルスと間違えてしまうほどによく似ています。
背格好や色など見た目は同じでも、実は中身の無いハリボテだったという感じでしょうか。
新型コロナウイルスとして悪さをする機能は無いのでファイザー、モデルナやアストラゼネカに比べて副反応が少ないと考えられています。
保管に関してはアストラゼネカと同様に2~8℃と通常の冷蔵庫での保管が可能となっています。