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ダイエットするなら知っておきたい!有酸素運動と無酸素運動の違いを詳しく解説します
ダイエットで良く目にする無酸素運動と有酸素運動という言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
ダイエット初心者の私と一緒に見ていきましょう。
酸素の有りor無しという漠然とした文字の違いは分かるものの、具体的な違いが分からないという方は一緒に、分かってるよという方は確認の意味で見て頂けると幸いです。
無酸素運動とは
最初は無酸素運動について見ていきましょう。
そもそも無酸素運動とは酸素無しで行う運動ではありません。
急な動作であったり、筋肉への高負荷の動作を行うときは無酸素運動となります。
ダンベルを上げたり、短距離走だったりと一時的に大きな力を出す運動がこれに該当します。
↓↓無酸素運動についてもっと詳しく↓↓
筋肉を動かすためのエネルギーを酸素を使わずに作るために無酸素運動という名前が付いています。
ちなみにこのエネルギーをアデノシン三リン酸(ATP)と呼びます。
酸素無しでグルコースやグリコーゲンといった糖からATPを取り出す仕組みを解糖系(乳酸系)と呼び、無酸素運動で主に使われています。
また、クレアチンリン酸という物質が体内の各細胞内に含まれており、こちらも無酸素運動でATPを作る際に使われます。
乳酸を出さないため、非乳酸系と呼ばれることもあります。
解糖系のエネルギーの元のグリコーゲンは主に筋肉と肝臓に蓄えられていますが、その量には限りがあるために、短時間で枯渇してしまいます。
そのため無酸素運動は数分しか継続できず、強い強度の運動であると1分程度しか続けられません。
ちなみに最大強度の場合、非乳酸系で8秒、乳酸系で33秒が運動の持続時間と言われています。
エネルギー効率としては、グリコーゲン1単位につきATPが2単位取り出すことができます。
この単位は『モル(mol)』といい、化学分野においては最初に習う内容となっています。
グリコーゲン1モルでATP2モル出てくるんだなー位に頭の片隅に置いておいてくださいませ。
有酸素運動とは
有酸素運動とは、酸素を使いエネルギーを作り出すことでジョギングや水泳など、筋肉への負荷は低いですが継続的に行う運動のことです。
有酸素運動では、脂肪やタンパク質が消費されることによる体重の減少、呼吸器や心臓などの循環器の機能の向上が期待できます。
運動を長時間続けるためには大量の酸素が必要ですが、そのためには酸素を運ぶ血液の循環機能、つまりは心臓と肺の働きが重要になってきます。
心拍数には上限があり、より多くの酸素を体中に送り届けるためには心拍出量を多くする必要があります。この心拍出量は、心筋の機能向上によって増大します。心筋の筋力は有酸素運動で高めることができます。
つまり有酸素運動を行うことで、脂肪の燃焼の他にも持久力向上が期待されるのです。
↓↓有酸素運動についてもっと詳しく↓↓
有酸素運動では無酸素運動と違い、酸素を使いATPを作ります。
上でお話ししているように無酸素運動に比べて低負荷とも言えます。
解糖系と同じく、ATPが作られる機構を見ていきましょう。
下の図を見てください。無酸素運動で使われる解糖系の続きが記されています。
上から解糖系、クエン酸回路、電子伝達系と呼びます。
解糖系は先にお話ししている無酸素運動で、クエン酸回路と電子伝達系は高校生か、大学生で習う内容かと思います。
あまり詳しい内容はダイエットには必要ないので、さらっと流してくださいね。
このクエン酸回路において酸素が使われるため、『好気性の反応』という記載があります。
この回路においてはタンパク質や脂肪がエネルギーの元であり、いわゆる有酸素運動で脂肪が燃焼するという状態になります。
こちらのエネルギー効率を見てみましょう。
クエン酸回路に限定した場合は解糖系と同じくATP2モルですが、その後に続く電子伝達系においてはATPが驚きの34モルを作り出します。
エネルギー効率で見る無酸素運動と有酸素運動の違い
上で見てきたように無酸素運動の場合は解糖系でのATP2モルのみですが、有酸素運動の場合は解糖系2モル+クエン酸回路2モル+電子伝達系34モルの合計38モルものATPが作られることになります。
このように有酸素運動の場合、ATPがたくさんあることで長時間の運動が可能となります。
これだけを見ると有酸素運動で良くない?となりますが、無酸素運動、つまり解糖系におけるATPの産生速度はクエン酸回路の約100倍とも言われ、急激な運動に対しては有酸素運動に対して圧倒的に有利となります。
無酸素運動ではダイエットできないの?
そんなことはありません。
無酸素運動で筋肉を使うことで筋肉量、特に速筋と言われる筋肉を鍛えることができます。
これにより筋力量の増加が期待でき、体力の維持、さらには筋肉における消費エネルギーの増加に繋がります。
つまり基礎代謝が上がることと同義です。
アフターバーン効果
さらに最近では無酸素運動後は『アフターバーン効果』と言われる消費エネルギーが高い状態となるため、より効果的な運動が可能になるとされています。
アフターバーン効果は最大で72時間、つまり3日間に渡って継続することもあるようです。
このアフターバーン効果を得るには心拍数を最大心拍数の8割にキープしてトレーニングを行う必要があります。
尚、最大心拍数は以下の計算式でおおよその値が求められます。
最大心拍数=206.9-(0.67×年齢)
つまりこの値に80%をかけた値をキープすることになります。
例えば30歳であれば
206.9-(0.67×30)=186.8(最大心拍数)
186.8×80%=149.44
心拍数が150を切らないような無酸素運動を行うことでアフターバーン効果が期待できるでしょう。