調剤に携わっている人なら誰しも耳にしたことがあるだろうし、考えたこともあると思います、無資格調剤。
平成27年6月25日付け薬食総発0625第2号においては
『薬剤師が見ている状況でも軟膏の混合はしちゃダメ。これは粉薬も水薬も同じくダメよ』
というお達しがあったわけです。
ただ、この文章では良く聞くピッキングなどはどういう扱いになるのかまでは全く言及されていませんでした。
薬剤師や厚労省の地域ごとの各管轄がそれぞれの判断で業務を行い、指導を行ってきており、日本での統一した見解はされないまま今日までやってきたのです。
改訂の度に下がる調剤報酬が薬局の経営を圧迫してきており、おそらくこのままいくと薬剤師の給料が大幅に下がるだろうという予測まで出てきていました。
そんな中、今年度頭に出された通知がこちら。
キターーーーーー!!
この通知見たときは本当にこんな気持ちでしたね。
やっとこの時代が来たのかと。
下手したら令和よりこっちのがインパクト強かったです。
それでは今回の通知で明確になったことをまとめてみます。
ピッキングはOK
2 具体的には、調剤に最終的な責任を有する薬剤師の指示に基づき、当該薬剤 師の目が届く場所で薬剤師以外の者が行う処方箋に記載された医薬品(PTP シ ート又はこれに準ずるものにより包装されたままの医薬品)の必要量を取り 揃える行為、及び当該薬剤師以外の者が薬剤師による監査の前に行う一包化 した薬剤の数量の確認行為については、上記1に該当するものであること。
薬 生 総 発 0402 第1号 より引用
薬剤師が後で確認をすることが前提ですが、取り揃え(ピッキング)が認められています。それに付随して、一包化の取り揃えも。
シップ1袋でさえも調剤と見なされると、本当に身動きが取れなくなっていたかもしれません。
というか、昨今の調剤機器はピッキングまでしてくれるらしいのですが、今まではどういう扱いだったのか気になるところではありますね。
納品作業はOK
医薬品卸からの受取に加え、調剤棚への片づけも問題なしとされました。
というか、この業務のどこに調剤要素があるのか不明ですが。
忙しい外来業務中に納品まで行うと、もう手がいくつあっても足りません。
その他の業務
その他には、施設の配薬カートへの補充、不足薬の配達や郵送が問題なしとされています。
不足薬の配達が駄目だったケースがあるのか良く分かりませんが、配薬の手伝いも明文化されたことで薬剤師以外の従業員にも分担してもらうことが可能となっています。
これからの調剤薬局の薬剤師は
このように薬剤師の業務量を減らす目的で色々な事項が挙げられていますが、もろ手を挙げて喜んでいるだけでは駄目なようです。
ピッキングなどをしてもらうにあたり、過誤がないようにルールを作り、それを徹底する必要があります。
おそらく、今後は各薬局グループにおいてテクニシャンの要件が定められ、それをクリアした人に業務を行ってもらうスタイルへ変わっていくのでしょう。
それに伴い、薬剤師は調剤業務の比重が軽くなり、服薬指導へシフトしていきます。
ただし、今まで調剤業務ばかりしてきた薬剤師が淘汰される未来も同時に見据えている内容であることは分かって頂けるかと思います。
服薬指導のできない従来の薬剤師は安い給料で雇われる二極化が進んでいくのかもしれません。