薬剤師のチラシ裏

ハッピー・ハイポキシア(幸運な低酸素症)を放置すると死ぬかもしれないという事実

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そもそもハッピー・ハイポキシアとは

ハッピー・ハイポキシアとは日本語訳で『幸せな低酸素症』といいます。

元々、航空医学で使われている用語で、低酸素状態のパイロットなどが気持ちの良い状態になることがあるケースから名付けらたようです。海から高ければ高いほどに酸素へかかる圧力が減り、その結果血液中に溶け込む酸素量が低下してしまうことで起こるとされています。

通常であれば酸素が少なくなることで息苦しさを感じるものですが、ハッピー・ハイポキシアが起こることで多幸感により正常な判断ができなくなり、自分の息苦しささえも感じなくなってしまいます。

ハッピー・ハイポキシアを起こしているとどうなる?

低酸素症にも関わらず苦しさを感じません。
そのため、自分が重症であるという認識が薄く、苦しくなった時にはもう手遅れであったりします。
軽症者として自宅療養となっている人が突然死亡しているのは、自覚症状のなさからの急変が原因だという声もあります。

さらには判断力の低下による車の事故もおきており、自宅療養が多数を占める現在では深刻な問題であると言っても過言ではありません。

このようなニュースも出始めました。

出歩く重症者、コロナドライバー突然死事故が示すもの (msn.com)

こうなったら本人だけでなく、周りにも被害が及びます。

コロナでハッピーハイポキシアを起こす原因は?

感染による発熱が起こっていることにより、代謝が亢進されると血液の流れが速くなります。
このとき肺での血液の流れも同様に早くなるため、十分に血液中に酸素を溶かすことができないまま血液が循環されてしまうことで起こるとされています。
また、発熱時は酸素を通常より大量に必要としているためさらに肺の血液の流れは速くなり、低酸素を引き起こす原因となります。

そしてウイルス感染による炎症、肺機能の低下も合わさることで症状が悪化していくのです。

ハッピー・ハイポキシアを早く察知するために

低酸素症であることが自身にも気付かない、気付けないことが大きな問題です。

低酸素症により判断力が著しく落ちているため、自分の体調でさえ正しい判断を下すことができません。

自分がどのような状態なのか、客観的な数値、特に血中酸素飽和度を測定することでそれを知ることができます。

パルスオキシメータとは

パルスオキシメーター (pulse oximeter) とは、検知器(プローブ)を指先や耳たぶなどに装着し、侵襲(外的要因によって生体内の恒常性を乱す事象)を伴わずに脈拍数と経皮的動脈血酸素飽和度 (SpO₂) をリアルタイムでモニターするための医療機器である。モニター結果を内蔵メモリーに記録できるものや、腕時計のような小型のものもある。

wikipediaより引用

難しい用語が並んでいますね。
日本呼吸器学会から出されているこちらの資料が分かりやすいので紹介しておきます。

よくわかるパルスオキシメータ (日本呼吸器学会)

要点としては、自分で簡単に血中の酸素の濃度が測れますよ、という機械です。

これに表示されるSpO2という項目が酸素飽和度を示しています。

自宅で使いやすい指で測定するタイプの商品リンクを下に貼っておきます。

SpO2の値で気を付けることは?

SpO2の値が正常でも息苦しさを感じることがあります。

SpO2で測定しているのはヘモグロビンに結合している酸素の割合なので、SpO2が正常値であっても貧血傾向のある人は絶対的な酸素量が足りていない可能性があります。

また、気管支喘息や慢性呼吸器疾患(COPD)などではSpO2が正常であっても息苦しさを感じることがあるので、SpO2値だけで状態を判断するのは危険なケースがあるので注意してください。