薬剤師のチラシ裏

仮性包茎の治療に使う塗り薬はありますか?

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仮性包茎の治療は手術がメインです。

いきなり話が終わってしまいましたが、仮性包茎の治療は外科的治療がメインです。

とは言え、症状の程度は人によって様々なので以下に解説します。

仮性包茎と治療

仮性包茎は、陰茎の先端を覆っている包皮が、勃起時にも簡単に剥けない状態を指します。仮性包茎の治療方法は患者の状態や程度によって異なりますが、一般的な治療法は以下の通りです。

  1. 保湿クリームやステロイドクリームの使用: 皮膚の柔軟性を高め、包皮の緊張を和らげることが目的です。ただし、これは症状を緩和するだけで、根本的な解決にはなりません。
  2. 手術: 重度の仮性包茎や、他の問題(炎症や感染など)がある場合は、手術による治療が選択されることがあります。包茎手術には、包皮形成術や包皮切除術(割礼)などがあります。
  3. 自然療法: 幼少期から成長期にかけて、自然に包皮が剥けるようになることもあります。適切な陰茎のケアと清潔さを保つことが重要です。

仮性包茎に悩む方は、専門の医師に相談し、適切な治療法を選ぶことが重要です。

保湿クリームやステロイドクリームの使用

保湿クリームは、皮膚の水分を保ち、柔軟性を高めることで、包皮の剥けやすさを改善することが期待されます。無香料で無着色のものを選び、アレルギー反応が起こらないか注意して使用することが重要です。

ステロイドクリームは、皮膚の炎症や腫れを抑える効果があります。これにより、包皮の緊張が緩和され、陰茎の先端が露出しやすくなることが期待されます。ただし、ステロイドクリームは医師の処方箋が必要であり、使用には注意が必要です。長期間の使用や過剰な使用は、皮膚の薄くなる副作用があるため、医師の指示に従って適切に使用することが重要です。この目的で小児科の医師が、小学校低学年くらいまでの子どもを対象にリンデロンVGを処方しているのをしばしば見かけます。

いずれのクリームも、使用前に医師と相談し、適切な方法で使用することが重要です。また、これらのクリームは症状の緩和を目的としているため、根本的な解決にはなりません。

仮性包茎の手術

仮性包茎の治療に関して手術の方法や一般的な手術時間、入院期間について説明します。ただし、実際の治療については、専門の医師に相談してください。

仮性包茎の手術には主に2つの方法があります。

  1. 包皮形成術(プレプュティオプラスティー) 包皮形成術は、包皮の一部を切除・縫合することで包皮の緊張を緩和し、陰茎の先端が露出しやすくする手術です。包皮の自然な形状を保ちつつ、適切な包皮の長さを確保します。この手術は、局所麻酔または全身麻酔下で行われ、手術時間は約30分から1時間ほどです。
  2. 包皮切除術(割礼、サーカムシジョン) 包皮切除術は、包皮の一部または全部を切除し、陰茎の先端が常に露出している状態にする手術です。宗教的理由や医学的理由(繰り返す炎症や感染、真性包茎など)で行われることがあります。この手術は局所麻酔または全身麻酔下で行われ、手術時間は約30分から1時間ほどです。

術後の入院期間は、手術方法や個人差により異なりますが、一般的には日帰り手術が多いです。手術後は、痛みや腫れ、出血がある場合がありますが、通常は数日から1週間ほどで症状が改善されます。術後のケアについては、医師の指示に従って適切に行うことが重要です。

手術による仮性包茎治療については、専門の医師に相談し、適切な方法を選ぶことが重要です。また、手術方法や手術時間、入院期間などは個人差があるため、自分に合った治療法を選択するためにも、医師と十分に相談することが必要です。

仮性包茎は自然治癒するの?

仮性包茎の治療に関して自然療法について説明します。ただし、実際の治療については、専門の医師に相談してください。

自然療法は、手術や薬物治療を行わずに、包皮の状態が自然に改善されることを期待するアプローチです。仮性包茎は成長に伴って自然に改善されることがあります。そのため、特に問題がない場合は、自然療法を選択することもあります。以下は、自然療法において実践できる方法です。

  1. 陰茎のマッサージ: 包皮をゆっくりと剥いていくことで、包皮が剥けやすくなることを促すことができます。ただし、無理に剥かないよう注意し、痛みや損傷を避けるようにしてください。
  2. 温水浴: 温水に浸かりながら、ゆっくりと包皮を剥くことで、皮膚の柔軟性を高めることが期待されます。また、温水浴は血行を促進し、炎症や腫れを和らげる効果もあります。
  3. 清潔な環境の維持: 陰茎と包皮の間には、細菌が繁殖しやすい環境があります。適切な衛生管理を行い、感染症や炎症を防ぐことが重要です。陰茎を洗う際は、石鹸を使って優しく洗い、水で十分にすすいでください。
  4. 成長と発達の経過観察: 幼少期から成長期にかけて、包皮が自然に剥けるようになることがあります。特に問題がない場合は、成長と発達を見守ることができます。上でも書きましたが、この時期にステロイド外用を使うケースを見ることがあります。

ただし、自然療法が効果的であるかどうかは個人差があります。また、症状が悪化したり、感染や炎症が繰り返し発生する場合は、医師に相談し、適切な治療法を選ぶことが重要です。