健保連が提案する医療改革の中で、今回は『フォーミュラリー』を紹介します。
目次
フォーミュラリーって何?
ここのHPが分かりやすかったのでリンクを貼っておきます。
簡単にまとめると、病名に対して使用する成分を決め、さらにその薬はジェネリックなど安価なものを選択し、患者の経済的負担を減らし、引いては医療費全体の抑制へと繋げるという意図があります。
元々地域によっては検討はされており、その医療費軽減効果と薬剤師の復権が期待されていました。
健保連の出している案は以下の通りです。
フォーミュラリーのメリット
フォミュラリーを導入することによるメリットはどのようなものがあるか見ていきます。
医療費の削減
フォーミュラリーのメリットとしては何をおいても『医療費の削減』が挙げられます。
必ずジェネリックを使用するので、薬価を抑えることができます。
また、使用する薬品が決まっているので、薬品の在庫を抑えることができ、余剰在庫などが発生しにくくなります。
これは院内処方の病院だけでなく、調剤薬局においても多大な効果が見込めると考えます。
治療の標準化
画一的な処方を行うことで、どの医師でも同じ治療効果が望めます。
フォーミュラリーのデメリット
フォミュラリーを導入することはメリットだけではないかもしれません。
医師が自由に処方できなくなる可能性がある
フォーミュラリーにより、処方可能な薬剤が限定されてしまうと、最初から医師の考えている薬が使えなくなる可能性があります。
『先輩医師からこの症状にはこの処方と教えてもらった』
『MRから勧められて』
『新しい薬を試してみたい』
このような医師の思惑はフォーミュラリーには介入の余地がありません。
フォーミュラリー策定にあたって注意すべきこと
フォーミュラリーを策定するにあたっては現行、また今後の各疾病の治療ガイドラインと内容を一致させておく必要があります。
ここに齟齬が生じると、現場での混乱を招く原因となりかねません。
また、医師の裁量を尊重するなどフォーミュラリーに例外を認めてしまうと、意味をなさない結果となるでしょう。
このフォーミュラリーに関してもリフィル処方と同様に過去に何度も議論されては立ち消えています。
個人的には医師の利権が大きく関わっている気がしてなりません。