目次
女性に良く見られる体調不良
- 冷え性
- 肩こり
- 生理痛
- 頭痛
- 浮腫み
女性でこれらの症状に悩まされている人も多いのではないでしょうか。
女性は生理、妊娠、出産、閉経などのライフイベントがあり、その都度体調の変化を感じることが多いようです。
それもあってか、男性に比べ体調の変化に気づきやすく、漢方を求めるのも女性が大半だといいます。
女性への漢方薬
当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遙散、桃核承気湯、温経湯といったものが有名ですね。
これらは血の巡りを改善したり、温めてくれたりすることで症状を改善していく働きがあります。
調子が悪いからと、とりあえずどれか飲んでみようということをしても、あなたの体質に合ったものを選ばないと治らないばかりか、悪化することも考えられます。
それではどのように選べばよいのでしょうか。ひとつずつ見ていきましょう。
虚証か実証か
体質や、体力、症状などから判断されるもので『証(しょう)』と呼ばれます。
同じ症状であっても他の要素が異なる場合は違う漢方を選択することになります。
虚証
『証』のうち、体力がなく、弱弱しい感じの人を『虚証』と呼びます。
体の線が細くて華奢だったり、顔色は悪めで肌荒れしやすく、声に張りがない、胃腸が弱い、寒がりといった特徴があります。
実証
虚証とは逆に、体力が充実している人を『実証』と呼びます。
体力があってがっちりした体つき、血色が良く肌つやがあり、大きくて張りのある声、胃腸が強く便秘がち、暑がりといった特徴があります。
虚証に用いる漢方薬
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
薬が合う人
- 冷えが強く疲れやすい
- 筋肉がない
- 貧血気味でトイレが近い
- 生理が遅れ気味
- むくみやすい
- 立ちくらみが良く起こる
- 生理前に頭痛
- めまい、動悸、耳鳴り
- 痩せの色白
効果のある症状
- 貧血
- だるさ
- 更年期障害
- 月経異常
- むくみ
- 冷え性
- 腰痛
その他、切迫流産予防で処方されるウテメリン(成分名:リトドリン)の動悸、震戦といった副作用の予防にも使われることがあります。
肩こりからくる頭痛、不眠やめまいの起こる人に合うことが多いです。
体を温める効果が強いので、ホットフラッシュが強く出ている人には合わない場合もあります。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
薬が合う人
- 体力がない
- 手足のだるさがある
- 肩こりと頭痛がある
- 動悸がする
- 不眠がち
- 便秘気味で生理前に神経質になる
- 手足がほてる
効果のある症状
- 月経異常
- 冷え性
- 神経症
- 更年期障害
当帰芍薬散と比べるとやや冷え性には効果が薄めの印象ですね。
特にイライラが強かったり、ストレスを感じやすく頭痛が起こる人に合うことが多いです。
温経湯
薬が合う人
- 唇や肌が乾燥気味
- 重度の冷え性で、特に下腹の冷えが気になる
- 体力がない
- 貧血気味
- 生理不順
- 手だけが熱い
効果のある症状
- 生理不順
- 月経量が多かったり、痛みが強い
- 不妊症
- 更年期障害
- 足腰の冷え
- 頭痛
名前の通り、血流を改善して体を温めることが得意な漢方です。
不妊治療などでしばしば処方されます。