新型コロナにかかったときに飲める風邪薬
新型コロナの感染者数がすごいことになってますよ、先輩。
いや、ほんとにすごいね。
感染者数が連日過去最高を更新している状況だし。
オミクロン株のBA5は感染力が高くて、重症化しやすいとも言われているね。
コロナに使える市販の風邪薬ってあるんですか?
風邪薬は正直なんでも大丈夫。
ただ、風邪薬は症状を抑えるだけだから治りを早める効果は無いよ
えー?治療薬は無いってことですか?
市販薬じゃないけど、以前から使われている点滴のレムデシビル、飲み薬のラゲブリオ、パキロビッドに効果が期待できると言われているね
その薬って使うまでに説明が長かったり、同意書にサインしたりと結構面倒だった気がします。
もっと簡単に手に入る市販薬を教えてください!
オミクロン株のBA2が流行したときに良く効いたと言われている漢方の組み合わせがあるから、それを紹介しておくよ
新型コロナの流行初期はイブプロフェンがダメだった?
新型コロナウイルス感染初期、2020年3月頃にフランスの厚生大臣がTwitterでこんなことを発信しています。
⚠️ #COVIDー19 | La prise d’anti-inflammatoires (ibuprofène, cortisone, …) pourrait être un facteur d’aggravation de l’infection. En cas de fièvre, prenez du paracétamol.
— Olivier Véran (@olivierveran) March 14, 2020
Si vous êtes déjà sous anti-inflammatoires ou en cas de doute, demandez conseil à votre médecin.
(翻訳)
⚠️ #COVIDー19 |抗炎症薬(イブプロフェン、コルチゾン、..)を服用することは、感染を悪化させる要因となる可能性があります。発熱の場合はパラセタモールを服用してください。
すでに抗炎症薬や疑わしい場合は、医師にアドバイスを求めてください。
(翻訳ここまで)
ちなみにパタセタモールとはアセトアミノフェンのことです。
イブプロフェンは商品名はイブなどの解熱鎮痛剤に多く含まれており、コルチゾンは日本では飲み薬として市販されていません。
このツイートが元で、コロナの感染有無に関わらず使用が避けられる事態になっていたようです。
結論:イブプロフェンは飲んでも大丈夫
2021年9月現在、イブプロフェンによるコロナ症状の悪化の根拠はなく、イブプロフェンを避ける理由はありません。
むしろ、現在アセトアミノフェン製剤の流通が枯渇していることから、イブプロフェンも積極的に使用していく方向で周知されています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210624/k10013101541000.html
NHK NEWSWEBより引用
ワクチン接種における副反応で発熱が起こった場合も、イブプロフェンは安全に使用することができます。
結論:ヒドロコルチゾンは市販されていないので気にしない
ヒドロコルチゾンに関しては日本において飲み薬は医療用のみであり、一般の方が自己判断で使用する機会はまず無いと思って良いでしょう。
ヒドロコルチゾンに代表されるステロイド薬は投与するタイミングが重要です。
初期に服用をしていると免疫機能の低下による悪化が懸念されますが、中等症から重症の場合はむしろ症状が改善されることもあり、積極的に使用を検討されています。
特にデキサメタゾンが有効とされており、各所で使用されています。
ただ、デキサメタゾンのみでは抗炎症効果が十分でない場合にメチルプレドニゾロンを使用しているケースもありますが、その用量は各医療機関によって異なっているのが現状のようです。
風邪薬のおすすめ
イブプロフェンに限らず、どの風邪薬の成分でも新型コロナ感染時の使用は問題ないと考えます。
ここからは症状に合わせた風邪薬を紹介していきます。
熱が高いとき・痛みが出ているときの薬
成分名 | アセトアミノフェン(添付文書) |
---|---|
効能・効果 | 解熱・鎮痛 |
医療用の販売規格 | 錠剤(200・300・500mg) |
カロナールが有名ですが、コカール錠という名前でも販売されていた時期があります。成人で解熱鎮痛で使用する場合、アセトアミノフェンとして300~500mgの間で使用するように添付文書に記載されています。
現在はアセトアミノフェン錠に統一されつつありますので、そのうちカロナールという名称も無くなるかもしれません。
薬の特徴としては発売されてからの使用経験が長く、小児や妊婦、授乳婦の解熱鎮痛剤としての第一選択とされるなど安全性が高い点が挙げられます。
胃腸障害が見られにくく、空腹時の服用も問題ありません。
他剤との相互作用もほぼないため、使いやすい薬と言えます。
しかしながら極まれに肝機能障害を起こす可能性が示唆されていますので、この点には注意が必要です。
市販薬でアセトアミノフェン単独処方の商品
カロナール錠は医療用のため、一般の販売はされていません。
ですが、その成分であるアセトアミノフェンに関しては規制のある成分ではないため、一般の薬として販売もされています。
市販薬を選ぶときは成分名にアセトアミノフェンのみが記載されている製品を選ぶと安心できるかと思います。
最近はタイレノールが品薄になっており、なかなか手に入りにくい状況になっています。
タイレノールA
お勧め度
記載の定価を超えるものは購入しないでください。
同成分のもので、使いやすい製品を紹介していきます。
尚、皆さんの利便性を考えて全てAmazonでの取り扱い商品を中心に紹介しています。
ラックル速溶錠
お勧め度
●成分・分量
1錠中 アセトアミノフェン300mg
添加物 トウモロコシデンプン、セルロース、l-メントール、エリスリトール、
ステアリン酸マグネシウム、無水ケイ酸、
アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、
アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、アセスルファムカリウム、赤色3号
1錠当たり300mg含まれています。
成人で解熱鎮痛で使用する場合、アセトアミノフェンとして300~500mgの間で使用するようにカロナールの添付文書に記載されていますので、300mgを使用するなら8回分に相当します。
子ども用の製品としてはもっと低用量のものがありますが、1錠が50mgや100mgだったり何錠も飲まなければならないため実用性に欠けるため、こちらの製品をお勧めしています。
アセトアミノフェンK錠
お勧め度
●成分・分量
9錠中
アセトアミノフェン・・・900mg
添加物:ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg、無水ケイ酸、セルロース
36錠包装。1錠あたりアセトアミノフェン100mg含有。
1回300mg服用の場合、12回分に相当します。
薬師鎮痛薬
お勧め度
●成分・分量
9錠中 アセトアミノフェン 900mg 添加物 :ヒドロキシプロピルセルロース、CMC-Ca、メチルセルロース、ステアリン酸Mg、 乳糖水和物、還元麦芽糖水アメ、セルロース
36錠包装。1錠あたりアセトアミノフェン100mg含有。
1回300mg服用の場合、12回分に相当します。
バファリンルナJ
お勧め度
1錠中
アセトアミノフェン100mg
添加物として、エチルセルロース、ラウリル硫酸Na、セタノール、トリアセチン、
合成ヒドロタルサイト、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、
ヒドロキシプロピルセルロース、スクラロース、l-メントール、香料、
デキストリン、バニリン、ステアリン酸Mgを含有する。
12錠包装。1錠あたりアセトアミノフェン100mg含有。
1回300mg服用の場合、4回分に相当します。
子どもに向けて販売されている商品です。
小中学生用ノーシンピュア
お勧め度
●成分・分量
2錠中
アセトアミノフェン 200mg
アリルイソプロピルアセチル尿素 30mg
無水カフェイン 40mg
添加物としてセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、無水ケイ酸、
CMC-Ca、ステアリン酸Mg、カルナウバロウ、ヒプロメロース、酸化チタン
を含有する。
24錠包装。1錠あたりアセトアミノフェン100mg含有。
1回300mg服用の場合8回分に相当します。
紹介している商品の中ではこれのみアリルイソプロピルアセチル尿素が含まれているため、眠気などの副作用が起こる可能性があります。
また、カフェインが含まれているため、妊婦、授乳婦には使いづらいかもしれません。
ただ、頭痛がある場合にはアセトアミノフェン単独に比べて効果が高いと考えられるので、症状によっては第一選択となるでしょう。
ブルフェン錠(イブプロフェン)
成分名 | イブプロフェン(添付文書) |
---|---|
効能・効果 | 解熱・鎮痛 |
医療用の販売規格 | 錠剤(100・200mg) |
こちらもアセトアミノフェンと同様に子どもでも使いやすい薬として昔から使用されてきました。医療用医薬品としてはブルフェン錠が有名でしょうか。
鎮痛目的で使われることが多いですが、解熱剤としての使用も可能です。
添付文書においては成人に対して1回200mg、1日最高用量は600mgまで使用することができます。
アセトアミノフェンと異なり、胃腸への負担があるので胃潰瘍など消化性潰瘍のある方は服用できないので注意が必要です。
市販薬でイブプロフェン単独処方の商品
アセトアミノフェンと同じく、有効成分単独処方の商品を選ぶ方が余計な副作用を考えなくて使いやすいでしょう。
アセトアミノフェン製剤に比べて商品在庫は潤沢にあるようなので、持病の無い方はこちらを選んでも問題ありません。
イブ
お勧め度
●成分・分量
2錠中
成分・・・分量
イブプロフェン・・・150mg
添加物:無水ケイ酸、セルロース、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒプロメロース、マクロゴール、ステアリン酸Mg、タルク、酸化チタン
普通錠ですが、1錠当たり75mgと微妙な成分量となっています。
逆に言うと、多すぎず少なすぎずで調節をしたい方にはぴったりな商品でしょう。
イブメルト
お勧め度
●成分・分量
1錠中
イブプロフェン・・・・・・・・・・・・・200mg
添加物:無水ケイ酸、セルロース、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、
ステアリン酸Mg、タルク、トウモロコシデンプン、
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、メタクリル酸コポリマーLD、
ラウリル硫酸Na、ポリソルベート80、クエン酸トリエチル、
アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、アセスルファムカリウム、
DL-リンゴ酸、香料
1錠にイブプロフェン200mgを含み、通常成人量をちょうど満たしている商品です。
本商品は更に口の中で溶ける口腔崩壊錠となっており、状況を選ばずにいつでも服用できるというメリットがあります。
発熱などでしんどい時などは飲みやすい商品と言えるでしょう。
咳がひどいときの薬
新エスエスブロン錠エース
●成分・分量
12錠中
成分・・・12錠中・・・作用
L-カルボシステイン・・・750mg
・・・のどにからむ粘稠なたんをうすめるとともに、荒れた気道粘膜を正常化し、
たんの排出をうながします。
ジヒドロコデインリン酸塩・・・30mg
・・・せきの中枢に作用し、せきの発生を抑えます。
dl-メチルエフェドリン塩酸塩・・・75mg
・・・気管支筋の緊張をやわらげ、息苦しさを除くとともに、せきをしずめます。
クロルフェニラミンマレイン酸塩・・・12mg
・・・アレルギー性のせきをしずめます。
添加物:カルメロースCa、無水ケイ酸、セルロース、乳糖、白糖、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドン、炭酸Ca、
カルナウバロウ、ステアリン酸Mg、タルク、酸化チタン、プルラン、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール
効能効果は『せき・たん』のみです。
解熱剤は一切入っていないので、発熱がある場合は解熱剤を別に調達することになります。
普通のブロン錠がAmazonでの売り上げがトップでしたが、私は敢えてこちらを推します。
咳を強力に止めるジヒドロコデインや抗ヒスタミン作用のあるクロルフェニラミンを含む通常のブロン錠に加えて、カルボシステインが含まれていて、粘膜の正常化や痰が出しやすくなる効果が期待できます。
緑内障や前立腺肥大の方は服用できない場合があるので注意してください。
鼻水がひどいときの風邪薬
医療用医薬品のアレグラと同一成分のOTCです。
アレグラFXという商品が有名ですが、OTCの後発品、いわゆるジェネリックと思われます。
●成分・分量
1日量(2錠)中
フェキソフェナジン塩酸塩・・・120mg
添加物として、セルロース、部分アルファー化デンプン、ポビドン、
デンプングリコール酸ナトリウム、軽質無水ケイ酸、ヒプロメロース、
マクロゴール6000、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、
ステアリン酸マグネシウムを含有します。
成分のフェキソフェナジンは眠くならないという特徴を持っており、長年花粉症の方の御用達の商品となっています。
単純に鼻水・くしゃみといったアレルギー症状のみであれば他の成分が入っていないので非常に使いやすいでしょう。
ただ、この商品は安いです。
異常に安いです。
左のアレグラFXは28錠入り、右のアレルビは56錠入りです。
価格差は単純に考えて倍以上あります。
番外編:発熱・咳・鼻水の全部入りの薬
パブロンエースPro
驚きの全部入りです。
痒い所すべてに手が届きます。
鼻水で受診したのに解熱剤や咳止めまで全部出された経験のある方はいませんか?
そんな内容です。
●成分・分量
3錠中
イブプロフェン 200mg
(発熱、頭痛、のどの痛み等、熱と痛みをしずめます。)
L-カルボシステイン 250mg
(気道粘液・粘膜を正常な状態に近づけます。)
アンブロキソール塩酸塩 15mg
(せきの原因となるのどにからまるしつこいたんを出しやすくします。)
ジヒドロコデインリン酸塩 8mg
(せき中枢にはたらき、せきをしずめます。)
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 20mg
(気管支を広げ、呼吸を楽にして、せきをしずめます。)
クロルフェニラミンマレイン酸塩 2.5mg
(くしゃみ、鼻みず、鼻づまりの症状をおさえます。)
リボフラビン(ビタミンB2) 4mg
(かぜの時に消耗しやすいビタミンを補給します。)
添加物:セルロース、無水ケイ酸、乳糖、ヒプロメロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸Na、タルク
1つの薬で全部を賄えるので非常に便利ですが、逆に症状が出ていないので服用しなくても良い成分まで一緒に入っているということです。
市販の薬はこのような一長一短の商品が多々存在します。