新型コロナウイルスの流行しつつあった令和2年1月末頃から徐々に調剤薬局への影響が出始めています。
インバウンドを頼りにしている旅行業界などは著しい業績の悪化の可能性があり、ニュースなどでも取り上げられていますが、医療機関、調剤薬局でもその影響を感じずにはいられません。
目次
医療資材の不足
マスクの不足
ご多聞に漏れずマスクが全く入荷されていません。
1月末日に発注しましたが、予約発注数量も5箱までとされ、3月初旬の現在でも入荷はされていません。
何とか備蓄していた分で当面の職員使用分は確保していますが、患者さんへサービスで渡せる分も販売する分もありません。
「今使っているマスクを分けて欲しい」
そんな方もいますが、仮に職員が感染していた場合に患者さんにうつしてしまうリスクが高くなってしまうので丁重にお断りしているのが現状です。
消毒用アルコールの不足
厳密に言うと、アルコール製剤自体が入荷されません。
消毒用エタノール然り、無水エタノールもそうです。
主に調剤器具の洗浄、消毒、乾燥に使用していますが、このままだと水洗いのみで対応するしかなくなりそうです。
現在は輸液の混合など無菌操作を必要とする調剤は行っていないため、そこまでの重要性はないかもしれませんが、該当する調剤薬局では死活問題になる可能性があります。
医薬品の不足
現時点ではそれほど大きな影響はありませんが、先日のニュースで報道された吸入薬に影響が出ています。
オルベスコ(シクレソニド)の出荷制限
日本感染症学会にて杏林大学から報告書が挙がっています。
この報告がニュースで取り上げられ、翌日より販売されているオルベスコのすべての規格がメーカー出荷制限となりました。
現時点では3例のみの報告であり、過大な期待をするべきではないと思うのですが。
従来より使用している患者さんからすると、必要な薬が手に入らない不便を強いることになりそうです。
生活用品の不足
トイレットペーパー、ティッシュの不足
患者さんへは直接は関係がないかもしれませんが、例のデマにて調剤薬局においてもしっかり影響が出ています。
トイレットペーパーはもちろん、患者さん用のトイレへの設置が難しくなる可能性があり、今後使用可否を検討する必要があるかもしれません。
ティッシュは前出のアルコールを浸して使用しており、購入できない場合は綿などを使用することになりそうです。
状況の変化
売り上げの減少
これが結構厳しいかもしれません。
政府より『不要不急の外出は控えるように』との通達があり、県内での患者が確認されてから明らかに患者数が減っています。
具体的には1日としては3分の2、午後に至っては半分かそれ以下の患者数になっています。
また医師も受診回数を減らす目的で、通常より早めの診察で、長めの日数で処方箋を出している状況です。
遠隔診療の導入
定期の薬であれば電話などでの診療にて処方箋を発行するという対応を行う病院が出てきました。
電話などで診察→処方箋発行→病院から薬局へ処方箋FAX→処方箋は郵送
このような流れで処方箋を発行するようです。
しかし、薬局から患者さんへ薬を渡す過程は完全に抜け落ちています。
『患者さんへ薬を渡すのは薬局でどうにかしてね(はーと)』
というかなり無責任な状況になっています。
まとめ
新型コロナウイルスの影響はどうあがいても逃れられないでしょう。
患者さんへはなるべく不便をかけないようにしたいですが、従業員も患者さんと置かれている状況はほとんど変わりがありません。
調剤薬局だけでなく、他の施設においてもご理解とご協力を頂けると幸いです。