新型コロナウイルスのワクチン接種の担い手
令和3年5月26日現在、ワクチン接種は医師、看護師、歯科医師に限られています。
いや、限られているという表現は今は違うかもしれません。
歯科医師はごく最近ワクチン接種ができるようになりました。
菅首相の1日100万回の接種目標を達成するために接種できる人を増やしました。
これでも目標とする1日100万回は程遠いため、更に接種できる職種を拡げようとしています。
その中で薬剤師もその対象となっているのは皆さんの知るところでしょう。
薬剤師ですけど、ワクチン接種してもいいですか?
「薬剤師ですけど、ワクチン接種してもいいですか?」
仮に薬剤師がワクチン接種に携わることになれば、こんな会話がされることでしょう。
新たに認められた歯科医師も、接種するに当たって自身が歯科医師であることを知らせなければいけません。
ちなみに歯科医師は口腔内の麻酔を日常的に行っているし、当然その際に行うアナフィラキシーショックへの対応も学んでいます。
薬剤師もアナフィラキシーへの対応は文章として学んでいます。
機序から、症状、その治療薬まで必ず大学で学びます。
ただ、歯科医師と決定的に違うのが、
薬剤師は患者の体に触れない
これに尽きると思います。
注射をしたり、薬を飲ませたり、湿布を貼ったり…
こういうことが薬剤師には許されていません。
そのため、実習から就職してからも一切治療目的で患者の体に触れることはありません。
この状態でワクチン接種を担うことを考えると、かなりのハードルを感じざるを得ません。
実際にワクチン接種について薬剤師に聞いてみました
・50代女性
「ワクチン接種ですか?いや、多分というか絶対無理です。人に注射するとか怖いし、注射器にセットもやったことないから自信がないです。」
・30代女性
「注射はできないですね。正直、インスリン注射もためらうくらい。患者さんに指導はしてるけど、実際にしたこともないですし。」
・20代男性
「病院の実習で点滴の混注はしたことがありますよ。ワクチン用の注射器は使ったことがないですね。でも静脈じゃなくて筋注だし、垂直に打てばいいんでしたっけ?やろうと思えばできる気がします。」
・30代男性
「海外では薬剤師もワクチンの打ち手になっていますし、日本でも必要になってくるんですかね。今からやれと言われると困りますが、研修とかあればなんとかできるようになると思います。」
聞いた相手が少ないこともあって若干意見が偏っている気がしますが、世間一般の薬剤師の声はこんな感じです。
やはり今までに経験したことがない業務で、侵襲を伴う行為、いわゆる少なからず痛みを与える行為に対して抵抗を覚える薬剤師は多いようです。
まとめ
個人的な意見ですが、これをきっかけに薬剤師の職域がもっと広がれば良いと思っています。
季節性のインフルエンザワクチンの接種も薬局で行えるようになれば、患者サイドの利便性は上がるでしょう。
ただ、ワクチン接種は医師の重要な収入源という側面も持ち合わせているので、医師会はそう易々と利権を手放すことはしないでしょうし、今までなかった摩擦が生まれてしまうことに懸念も出てきます。
新型コロナパンデミックの終息にはワクチンは不可欠です。
どの医療従事者もその認識には違いがないと思います。
異常事態を治めるには利権云々を超えて、超法規的措置も必要ではないでしょうか。