薬剤師のチラシ裏

熱中症を治す薬はある?漢方薬の五苓散(ごれいさん)で熱中症は予防から!

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熱中症を予防する薬はありますか?

熱中症を直接防止する特定の薬は存在しません。熱中症は、高温の環境下で体温調節がうまくいかず、体温が危険なレベルまで上昇する状態を指します。熱中症を予防するためには、以下のような対策が有効です:

  1. 水分補給:適切な水分補給は非常に重要です。汗をかいたら、それを補うために水分を摂取することが必要です。
  2. 体調管理:暑さを感じたら、適度に休憩をとり、涼しい場所で過ごすようにしましょう。また、無理に運動を続けるのではなく、体調をよく観察しましょう。
  3. 適切な服装:暑い天候に適した服装を選びましょう。通気性の良い、薄手の衣類が最適です。
  4. 塩分補給:汗と一緒に失われる電解質を補うために、適度な塩分の摂取も重要です。

これらの対策は、熱中症を予防するための基本的なガイドラインです。高温の環境にいる場合や、高強度の運動を行う場合は、特にこれらの対策を心掛けることが重要です。

熱中症の治療に使われる漢方薬を解説!

五苓散と白虎化人参湯はどうですか?

五苓散(ごりょうさん)と白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)は、ともに熱中症の症状を緩和するために使われることがあります。

  1. 五苓散:五苓散は、むくみや手足の冷え、頭痛、めまいなどの症状を改善するために用いられます。また、適度な発汗を促すことで体温調節を助ける作用もあります。しかし、過度の発汗が体の水分と電解質のバランスを崩す可能性があるため、注意が必要です。
  2. 白虎加人参湯:白虎加人参湯は、強い渇きや乾いた口、高熱、ほてりなど、熱中症のような「実熱」の症状に対して用いられます。体内の熱を冷まし、水分のバランスを整える作用があります。

ただし、これらの漢方薬の使用も、熱中症の重症化を防ぐためには、まず体温を下げ、水分と電解質を適切に補給することが最も重要です。また、漢方薬の使用は専門家の指導の下で行うべきであり、自己判断での服用は避けるべきです。重症の熱中症の場合には、すぐに医療機関に連絡してください。

夏バテの治療の代名詞?清暑益気湯はどのようなときに使われますか?

清暑益気湯(せいしょやっきとう)は、体内の熱を取り除き、気(生命エネルギー)を補うことを目的とした漢方薬です。暑さによる疲労や、熱中症などの暑熱病で使用されることがあります。

この漢方薬は特に、暑さによって体力が消耗し、疲労や倦怠感、食欲不振などの症状が見られる場合に効果的です。また、頭痛、めまい、ふらつき、立ちくらみなど、暑さによる不快な症状を和らげることも期待できます。

それでも、清暑益気湯を服用する前には、医師や薬剤師と相談することが重要です。個々の体調や症状によって適切な漢方薬は異なるため、専門家の指導が必要です。

また、重症の熱中症の場合には、すぐに医療機関に連絡し、適切な治療を受けることが重要です。