薬剤師のチラシ裏

処方箋でもらった薬の飲み方。食前、食後、食間とは?効果は出るのは?

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市販の風邪薬や、病院へ行ったときに出される薬ですが、飲み方に指定があるのは皆さんの知るところだと思います。

 

 

『1日3回食後に飲んでください』

『食前に飲んでください』…等

 

 

『食後』はイメージしやすいと思うのですが、食前っていつのこと?という方も多いのではないでしょうか。

そんな疑問に答えていきたいと思います。

食後とは食事の後30分以内を指します。

食前とは食事の前30分前を指します。

食間とは食事の後2時間後を指します。

 

 

その他、起床時や眠前などがあります。

さて、なぜこのように色々と飲むタイミングを指定されるようになっているのでしょうか。

『食後』は胃への負担を抑えるという意味が広く知られています。

ですが、実際飲むタイミングで薬の効果が変わってくるケースが往々にしてあることをご存知でしたか?

食後の理由とは?

具体的な例としては、EPA(イコサペント酸エチル)製剤ですが、皆さんがご存知の通りそれ自体が油です。

油は水には溶けにくく、油同士であればとけやすい性質を持っています。

食事中の油分が胃の中にあることで、食事とともにEPAが吸収されやすくなります。

胃の中に何もない状態、空腹時との比較すると

         食後:空腹時=100:60

このくらい吸収率が異なります。

効果が出なくなる

糖尿病薬のボグリボースに至っては飲むタイミングを間違うと、全く効果が出ません。

ボグリボースは小腸にあるαグルコシダーゼという酵素の働きを抑えることででんぷんやショ糖の分解を抑え、ブドウ糖を作られなくし、血糖値の上昇を抑えます。

そのため、食事が小腸を通る前に薬が存在していないと効果が期待できないということになるのです。

飲み忘れることが多ければ相談してみよう

その他、吸収が良くなりすぎて副作用が出やすくなるものもあります。

 

基本的には薬の服用方法には意味があると思っていただいて良いかと思います。。

上ではあくまで例として挙げましたが、食事の影響を受ける薬はたくさんあります。

 

ただ、あまりにも飲み忘れが発生する場合は治療に支障をきたしていると考えてください。

上記のボグリボースのように全く効果の期待できなくなるケースもありますので、自己判断での服用タイミングの変更はリスクを伴います。

薬の変更や、服用タイミングの変更など可能なケースもありますので、医師や薬剤師にご相談ください。

 

生活スタイルに合った薬の提案を約束します。