調剤の際に使用する器具は色々ありますが、新しい店舗に私が必ず用意する道具をご紹介します。
1.らく錠くん

調剤器具を作られている大同化工さんの製品です。
ヒートシールされた医薬品から中の錠剤やカプセルを取り出すために使います。
取り出す薬の形状、大きさに合わせて使えるようにおおまかに4か所取り出し口が設置されていて、医薬品のシートを通すことで上から車輪で押し出す仕組みです。
実際にセットした状態はこんな感じですね。

このようにシートをセットして、手前に引きます。
錠剤の大きさに応じて上のダイヤルで調整を行います。
写真はかなり年季が入っていますが、まだまだ現役です。
大変使いやすいのですが、お値段がネックです。これより小さい型でも3万程度はします。
尚、デメリットとしては、
- 柔らかすぎるカプセルが取り出せない
- OD錠など柔ら内錠剤が割れてしまう
といったことが挙げられ、万能ではありません。
2.錠剤トリダス

これも大同化工さんの製品です。
上のらく錠くんとは異なり、1錠ずつしか取り出せません。

このようにセットして、ホッチキスの要領で押し出します。
錠剤の大きさにも因りますが、下の受け皿には20錠程度は入ります。
らく錠くんと比べてメリットが分からないという声が聞こえてきそうですが、使っていると分かってきます。
取り出し部分の歯が2段になっており、指で押し出すのと近い状態を作り出します。
それにより、らく錠くんが苦手だった、柔らかいカプセルやOD錠を指を傷めずに取り出すことが可能となっています。
3.クリップシーラー

テクノインパルスさんの製品です。
名前の通り、挟み込んで熱で圧着させることができます。
食べかけのお菓子や、調味料などの袋を再度封印することができます。
薬局で何に使うかと言うと、主に分包紙に使います。
尚、分包紙とは、粉薬や錠剤などを1回分ずつパックするために使う分包機で使う専用のフィルムのことです。

パックした後に内容物を確認して、異物などがあった場合に取り出しますが、今までは一度開けてしまうと、再度機械に通す必要がありました。
粉薬などは機械に通すと、静電気のために機械に付着し、量が減ってしまう可能性があります。

分包紙の右側を見てもらうと分かって頂けると思いますが、このように密封させることができます。
これは分包紙の内側に熱を加えると溶ける糊が一面に塗布されているため可能となっています。
ちなみにお菓子の袋も内側に同様の加工がされているようですね。
デメリットとしては、
- サイズがやや大きめ(それでもハンディタイプですが)
- コンセントが必要
思いつくところはこんなところですが、導入したメリットは非常に大きかったと思っています。
まとめ
いかに楽に仕事をするかを毎日考えています。
こういった作業においては結果が同じであれば、なるべく早い方が良いのではないでしょうか。
大同化工さんに言えばらく錠くんは試用もできますので、皆さんも興味があれば使ってみてください。