赤ちゃんの飲み込む力
生まれてから6か月程度までは吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)と言われる吸い付く反射が見られます。赤ちゃんはこの吸啜反射を使って母乳を飲み込んでいます。そのため、吸啜反射が起こらない状況、例えば口の中に液体を直接流し込んだときなどは上手く飲み込むことができずにむせてしまうことがあります。
吸啜反射が無くなってくる6か月くらいになると、自分で飲み込む力が出てくるので、スプーンなどから液体を飲むことができるようになってきます。
吸啜反射を理解して薬を飲ませよう
吸啜反射を使うために、哺乳瓶の乳首やスポイトを使うとうまく飲めることが多いです。
また、授乳やミルクの前でないと受け付けてくれないことがあるので、タイミングにも注意すると良いでしょう。
哺乳瓶の乳首を使うときは、なるべく普段使いの乳首は避けましょう。
苦い薬などを飲んだ後その乳首を嫌がる可能性があります。
スポイトは頬の内側を添わせるように入れて流し込みます。吸啜反射が起こって飲んでいることを確認してから抜くと良いでしょう。
生後6か月以降、自分で飲み込めるようになってきたら
スプーンやコップなどで飲めるようならそちらへ移行します。
吸啜反射は無くなっていきますが、乳首をくわえると、反射の名残で吸うこともできます。
シロップ剤は基本的には味が濃いので水で薄めても問題ありませんが、薄めすぎると飲む量が増えてしまうので注意してください。
最近はドライシロップ剤といって水で溶かすことが前提の薬が多くなってきていますが、薬によっては溶けないものもあります。
お薬ゼリーやココアパウダー、練乳などで包むと飲みやすくなることも多いので、飲みにくいときは試してみてください。
なお余談ですが、この時に1歳未満の子どもに対してハチミツは使ってはいけません。
ボツリヌス菌への耐性が無く、感染する恐れがあります。
出された薬が全部飲めないとき
抗生剤などは決められた量を決められた期間、正しく飲む必要がありますが、そうでない薬もあります。
飲めない薬を必死になって飲ませるのは親にとっても本人にとってもストレスです。
薬の必要性は自己判断をせず、必ず処方された医師、もしくは薬剤師に聞いてみましょう。