コロナワクチン3回目の接種は希望者に
令和3年11月2日現在、日本におけるコロナワクチン接種に使われているのはすべて2回の接種が基本です。というか、2回接種しないと効果が期待できません。
この度、以前から言われていた『ブースター接種』が『希望者に限り』認められることになりました。
2回目の接種をした人は3回目をしないといけないわけではなく、今回も任意となっています。
3回目の副反応は2回目と変わらない割合
コロナワクチン接種で一番心配されていたのは効果よりもその副反応でしょう。
ワクチンの効果は感染による重症化を90%の割合で防ぐなど、インフルエンザワクチンと比べて明らかな優位性がありました。
しかし、コロナワクチンでの副反応の報道により、ワクチン接種を見合わせる人が多数出たのも確かです。
コロナワクチンによる副反応は、コロナウイルスに対する免疫反応を獲得した故の症状と考えられており、1回目よりも2回目、さらに2回目よりも3回目の接種において副反応が強く出る可能性が高いと考えられています。
ただ、下に示しているCDC(アメリカ疾病予防管理センター)におけるデータによると、2回目と3回目の接種による副反応の割合は大きく変わりません。
しかしながら、2回目の接種において副反応でしんどい思いをした人にとっては同じくらいのしんどさを体感することになると考えられますので、3回の接種を考えている場合はそれなりの対策が必要と思われます。
例えば解熱鎮痛剤を予め用意しておく、仕事への影響を考慮して職場の体勢を整えておくなどが考えられます。
当然、接種は体調を万全にして行うようにしましょう。
医療従事者への3回目の接種で副反応は?
令和3年12月24日の専門部会で報告の内容は以下の通りです。
2回目の接種から約9カ月の間隔で3回目の接種。
人数は1050人。
3回目の接種から1週間以内に37.5℃以上の発熱は40%、38℃以上は20%。
主な副反応の頻度は
- 注射部位の痛み 92%
- 倦怠感 71%
- 頭痛 56%
- わきの下の痛み 5%
2回目と同じくらいの副反応だと言う人もいれば、明らかに3回目の方が副反応が辛いという声もあります。
日本人は副反応が強めに出るとも言われているのですが、おそらくは免疫反応の違いからくるものでしょう。
わきの下の痛みというのがリンパ節の部位と思われます。そこが大きく腫れてしまったという例もあるようなので、やはり今回も痛み止めは必須レベルとなってきそうな予感がします。
薬剤師おすすめの市販薬紹介
カロナール錠(アセトアミノフェン)
成分名 | アセトアミノフェン(添付文書) |
---|---|
効能・効果 | 解熱・鎮痛 |
医療用の販売規格 | 錠剤(200・300・500mg) |
カロナールが有名ですが、コカール錠という名前でも販売されていた時期があります。成人で解熱鎮痛で使用する場合、アセトアミノフェンとして300~500mgの間で使用するように添付文書に記載されています。
現在はアセトアミノフェン錠に統一されつつありますので、そのうちカロナールという名称も無くなるかもしれません。
薬の特徴としては発売されてからの使用経験が長く、小児や妊婦、授乳婦の解熱鎮痛剤としての第一選択とされるなど安全性が高い点が挙げられます。
胃腸障害が見られにくく、空腹時の服用も問題ありません。
他剤との相互作用もほぼないため、使いやすい薬と言えます。
しかしながら極まれに肝機能障害を起こす可能性が示唆されていますので、この点には注意が必要です。
市販薬でアセトアミノフェン単独処方の商品
カロナール錠は医療用のため、一般の販売はされていません。
ですが、その成分であるアセトアミノフェンに関しては規制のある成分ではないため、一般の薬として販売もされています。
市販薬を選ぶときは成分名にアセトアミノフェンのみが記載されている製品を選ぶと安心できるかと思います。
最近はタイレノールが品薄になっており、なかなか手に入りにくい状況になっています。
R3.10.5追記
タイレノールAの在庫が安定してきているようです。
記載の定価を超えるものは購入しないでください。
同成分のもので、使いやすい製品を紹介していきます。
尚、皆さんの利便性を考えて全てAmazonでの取り扱い商品を中心に紹介しています。
ラックル速溶錠
お勧め度
●成分・分量
1錠中 アセトアミノフェン300mg
添加物 トウモロコシデンプン、セルロース、l-メントール、エリスリトール、
ステアリン酸マグネシウム、無水ケイ酸、
アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、
アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、アセスルファムカリウム、赤色3号
1錠当たり300mg含まれています。
成人で解熱鎮痛で使用する場合、アセトアミノフェンとして300~500mgの間で使用するようにカロナールの添付文書に記載されていますので、300mgを使用するなら8回分に相当します。
子ども用の製品としてはもっと低用量のものがありますが、1錠が50mgや100mgだったり何錠も飲まなければならないため実用性に欠けるため、こちらの製品をお勧めしています。
アセトアミノフェンK錠
お勧め度
●成分・分量
9錠中
アセトアミノフェン・・・900mg
添加物:ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg、無水ケイ酸、セルロース
36錠包装。1錠あたりアセトアミノフェン100mg含有。
1回300mg服用の場合、12回分に相当します。
薬師鎮痛薬
お勧め度
●成分・分量
9錠中 アセトアミノフェン 900mg 添加物 :ヒドロキシプロピルセルロース、CMC-Ca、メチルセルロース、ステアリン酸Mg、 乳糖水和物、還元麦芽糖水アメ、セルロース
36錠包装。1錠あたりアセトアミノフェン100mg含有。
1回300mg服用の場合、12回分に相当します。
バファリンルナJ
お勧め度
1錠中
アセトアミノフェン100mg
添加物として、エチルセルロース、ラウリル硫酸Na、セタノール、トリアセチン、
合成ヒドロタルサイト、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、
ヒドロキシプロピルセルロース、スクラロース、l-メントール、香料、
デキストリン、バニリン、ステアリン酸Mgを含有する。
12錠包装。1錠あたりアセトアミノフェン100mg含有。
1回300mg服用の場合、4回分に相当します。
子どもに向けて販売されている商品です。
小中学生用ノーシンピュア
お勧め度
●成分・分量
2錠中
アセトアミノフェン 200mg
アリルイソプロピルアセチル尿素 30mg
無水カフェイン 40mg
添加物としてセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、無水ケイ酸、
CMC-Ca、ステアリン酸Mg、カルナウバロウ、ヒプロメロース、酸化チタン
を含有する。
24錠包装。1錠あたりアセトアミノフェン100mg含有。
1回300mg服用の場合8回分に相当します。
紹介している商品の中ではこれのみアリルイソプロピルアセチル尿素が含まれているため、眠気などの副作用が起こる可能性があります。
また、カフェインが含まれているため、妊婦、授乳婦には使いづらいかもしれません。
ただ、頭痛がある場合にはアセトアミノフェン単独に比べて効果が高いと考えられるので、症状によっては第一選択となるでしょう。
ブルフェン錠(イブプロフェン)
成分名 | イブプロフェン(添付文書) |
---|---|
効能・効果 | 解熱・鎮痛 |
医療用の販売規格 | 錠剤(100・200mg) |
こちらもアセトアミノフェンと同様に子どもでも使いやすい薬として昔から使用されてきました。医療用医薬品としてはブルフェン錠が有名でしょうか。
鎮痛目的で使われることが多いですが、解熱剤としての使用も可能です。
添付文書においては成人に対して1回200mg、1日最高用量は600mgまで使用することができます。
アセトアミノフェンと異なり、胃腸への負担があるので胃潰瘍など消化性潰瘍のある方は服用できないので注意が必要です。
市販薬でイブプロフェン単独処方の商品
アセトアミノフェンと同じく、有効成分単独処方の商品を選ぶ方が余計な副作用を考えなくて使いやすいでしょう。
アセトアミノフェン製剤に比べて商品在庫は潤沢にあるようなので、持病の無い方はこちらを選んでも問題ありません。
イブ
お勧め度
●成分・分量
2錠中
成分・・・分量
イブプロフェン・・・150mg
添加物:無水ケイ酸、セルロース、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒプロメロース、マクロゴール、ステアリン酸Mg、タルク、酸化チタン
普通錠ですが、1錠当たり75mgと微妙な成分量となっています。
逆に言うと、多すぎず少なすぎずで調節をしたい方にはぴったりな商品でしょう。
イブメルト
お勧め度
●成分・分量
1錠中
イブプロフェン・・・・・・・・・・・・・200mg
添加物:無水ケイ酸、セルロース、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、
ステアリン酸Mg、タルク、トウモロコシデンプン、
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、メタクリル酸コポリマーLD、
ラウリル硫酸Na、ポリソルベート80、クエン酸トリエチル、
アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、アセスルファムカリウム、
DL-リンゴ酸、香料
1錠にイブプロフェン200mgを含み、通常成人量をちょうど満たしている商品です。
本商品は更に口の中で溶ける口腔崩壊錠となっており、状況を選ばずにいつでも服用できるというメリットがあります。
発熱などでしんどい時などは飲みやすい商品と言えるでしょう。
カロナール(アセトアミノフェン)やブルフェン(イブプロフェン)以外の解熱鎮痛剤でもいいいの?
コロナワクチン接種後の発熱におすすめの市販薬は以下の通りです。
確かにアセトアミノフェン製剤が安全性が高く、誰にでも使いやすいのは事実です。
しかしながら、ワクチン接種後の解熱鎮痛剤がアセトアミノフェンでないといけない理由もありません。
使える薬に制限のない方であれば、イブプロフェンなど使い慣れた薬を飲んでいただければ特に問題はないとされています。
ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)に関してはこちらの記事も確認して頂けるとより安全に使うことができるかと思います。