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葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン)は本当に脂肪を減らす?
薬機法の関係で『機能』という表記にしています。
おなかの脂肪が気になる方のタブレット
こういう広告ですね。
最近よく広告で見るので私も気になっていました。
大正製薬という大手の製薬会社が販売しており、少なからず興味を持った方もいると思います。
でも葛の花由来のイソフラボンって何?
今までの良くある薬とはどう違うの?
というか怪しい?
そんな疑問を見ていきましょう。
葛の花由来イソフラボンとは
葛の花に含まれるイソフラボン類を指しています。
結論から言うと、機能が期待できるのはイソフラボンの『テクトリゲニン類』という成分です。
消化管でテクトリゲニン前駆体からテクトリゲニンへ代謝されますが、これらをまとめてテクトリゲニン類と呼んでいます。
テクトリゲニンの機能
試験管内で肝中中性脂肪の蓄積抑制効果を調べた結果、肝臓での脂肪合成阻害、脂肪組織での脂肪分解、熱産生亢進による白色脂肪細胞の減少が示唆される結果が得られたようです。
投与した人の50%が作用を示す濃度をED50と呼びますが、この試験でED50は0.996μg/mLであることが分かりました。
ちなみにテクトリゲニン類として36.08mgをヒトに投与した場合、血中濃度は0.072±0.0096μg/mLだったようですが、ED50は0.996μg/mLとのことでかなりの差があります。
しかし、これだけ差があるにも関わらず脂肪減少の作用が見られており、肝臓と末梢血での濃度の差と推測されています。
脂肪の合成は肝臓で行われているので、肝臓でのテクトグリニンの濃度が高いことでED50を上回り、脂肪の減少が期待できると考えられます。
そもそもイソフラボンとは
イソフラボンとは正しくは下のような化学構造式をしています。
巷で良く聞く『イソフラボン』というのはイソフラボン類を指していることがほとんどですので、この正しいイソフラボンには興味を持つ方は皆無です。
ややこしいですが、『イソフラボン』の中の『テクトリゲニン』は例えると『ヒト』の中の『山田さん』のようなイメージでしょうか。
成分量から見る効果
以下は『おなかの脂肪が気になる方のタブレット』の成分表示です。
栄養成分表示 [ 3粒(900mg)当たり] |
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ヒトへの試験の際の投与量は36.08mgだったのでほぼ同用量としていますね。
含有量と試験時の投与量が一致していることも安心できる材料でしょう。
製造元はどこ?
販売は大正製薬ですが、製造はそうではありません。
株式会社東洋新薬というOEMの会社が製造を担っています。
OEMを専門行っており、品質は問題ないと思って良いでしょう。
OEMとは
企業が委託者のブランド(商標)で販売するという条件で、製品・部品を受託生産すること、または受託生産メーカーをさす産業用語。英語のoriginal equipment manufacturingまたはoriginal equipment manufacturerの略語である。
簡単に言うと、レシピは渡すからこの通り作ってねーという感じですね。
昔から販売されているのは防風通聖散
昔から販売されているのは防風通聖散という漢方です。
これを粉にしたり、錠剤にしたり、名前を変えてみたりで各社から販売されています。