薬剤師のチラシ裏

ロキソニンで良く出る副作用は胃痛?他の薬も調べてみた。

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ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一つで、炎症や痛みを抑える作用があります。副作用として胃腸障害や腎障害が挙げられますが、どちらの頻度が高いかについては、個々の研究結果や文献によって異なることがあります。

いくつかの研究を参考にすると、ロキソニンに関連する胃腸障害の発生率は、概ね1%から10%程度の範囲で報告されています。一方、腎障害の発生率は、0.1%から1%程度と、胃腸障害に比べて低い傾向があります。

ただし、これらの数値はあくまで参考であり、個人差や服用量、治療期間などによって副作用の発生率は変動します。また、他の薬との併用や既存の病歴なども影響を与えることがあります。副作用に関心がある場合は、医師や薬剤師に相談することが重要です。

ロキソニンの副作用が心配な場合、他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や痛み止めを試すことができます。ただし、どの薬を使用するかは、症状や既存の病歴、アレルギーなどによって異なりますので、最終的には医師や薬剤師に相談して決定してください。

以下は、一般的に用いられる代替薬の例です。

  1. イブプロフェン – イブプロフェンは、ロキソプロフェンと同じくNSAIDsに分類される薬で、痛みや炎症を抑える作用があります。ただし、ロキソニンと同様に胃腸障害のリスクがあるため注意が必要です。
  2. アセトアミノフェン(パラセタモール) – アセトアミノフェンは、痛み止めの効果がありますが、炎症を抑える作用はありません。胃腸障害のリスクはNSAIDsより低いとされていますが、肝臓への影響が懸念されるため、適切な用量を守ることが重要です。
  3. コクシブ(セレコキシブなど) – コクシブは、新しいタイプのNSAIDsで、従来のNSAIDsに比べて胃腸障害のリスクが低いとされています。ただし、心血管系への影響が懸念されるため、既存の心血管疾患がある場合は注意が必要です。

どの薬も副作用があるため、自己判断で薬を変更するのではなく、医師や薬剤師に相談して適切な薬を選択してください。

イブプロフェンとは

イブプロフェンは、1961年にイギリスのブーツ・ピュア・ドラッグ・カンパニー(現在のブーツUK)で開発され、1969年に市場に導入された非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。イブプロフェンは、プロスタグランジン合成酵素(COX)を阻害することにより、炎症、発熱、痛みを抑える効果があります。

用法・用量

イブプロフェンは錠剤、カプセル、液体、ジェルなど、さまざまな形状で利用できます。成人の場合、一般的な用法・用量は以下の通りです。

  1. 錠剤・カプセル: 成人の一般的な用量は200mg~400mgを1回、1日3回から4回まで服用することが推奨されます。最大で1日に1200mgまで服用できますが、医師の指示に従ってください。
  2. 液体: 成人の一般的な用量は、200mg/5mlの液体を1回に15ml、1日3回から4回まで服用します。

子供の場合は、年齢や体重に応じて用量が異なりますので、医師の指示に従ってください。

副作用

イブプロフェンは、一般的には比較的安全な薬とされていますが、副作用が発生する可能性があります。主な副作用には以下のようなものがあります。

  1. 胃腸障害: 胃痛、腹痛、悪心、嘔吐、下痢、便秘など。胃腸障害を軽減するために、食事と一緒に服用することが推奨されます。
  2. 頭痛、めまい、眠気などの中枢神経系の症状。
  3. アレルギー反応: 発疹、かゆみ、喘息などのアレルギー症状が現れることがあります。
  4. 腎障害や肝障害: 長期的な使用や高用量での服用が腎臓や肝臓に影響を与えることがあります。
  5. 心血管系の副作用: 高血圧、心臓発作、脳卒中などのリスクがわずかに増加する可能性があります

アセトアミノフェンとは

アセトアミノフェン(別名: パラセタモール)は、解熱鎮痛薬の一種で、1950年代にアメリカで開発されました。プロスタグランジン合成酵素(COX)を中心的神経系で選択的に阻害することにより、痛みや発熱を抑える効果があります。炎症抑制作用はほとんどありません。

用法・用量

アセトアミノフェンは、錠剤、カプセル、液体、坐剤など、さまざまな形状で利用できます。成人の場合、一般的な用法・用量は以下の通りです。

  1. 錠剤・カプセル: 成人の一般的な用量は500mg~1000mgを1回、1日4回まで服用することが推奨されます。1回の最大用量は1000mg、1日の最大用量は4000mgです。
  2. 液体: 成人の一般的な用量は、500mg/15mlの液体を1回に30ml、1日4回まで服用します。

子供の場合は、年齢や体重に応じて用量が異なりますので、医師の指示に従ってください。

副作用

アセトアミノフェンは、一般的には比較的安全な薬とされていますが、副作用が発生する可能性があります。主な副作用には以下のようなものがあります。

  1. アレルギー反応: 発疹、かゆみ、喘息などのアレルギー症状が現れることがあります。まれにアナフィラキシーショックが起こることもあります。
  2. 肝障害: 高用量や長期的な使用が肝臓に悪影響を与えることがあります。アセトアミノフェンの過剰摂取は、急性肝障害や肝不全を引き起こす可能性があるため、推奨される用量を超えないよう注意が必要です。
  3. 腎障害: 長期的な使用や高用量での服用が腎臓に影響を与えることがあります。
  4. まれに、低血糖症状、血小板減少、無顆粒球症などの血液障害が報告されています。

セレコキシブとは

セレコキシブは、1990年代後半にアメリカの薬剤メーカーであるギリアド・サイエンシズとモンサント(現ファイザー)によって開発された非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種で、選択的COX-2阻害剤(コクシブ)として分類されます。1999年に米国で承認され、市場に導入されました。セレコキシブは、従来のNSAIDsと比較して胃腸への影響が低いことが特徴ですが、心血管系への影響には注意が必要です。

用法・用量

セレコキシブは、通常、錠剤として利用されます。成人の場合、一般的な用法・用量は以下の通りです。

  1. 錠剤: 成人の一般的な用量は、100mgまたは200mgを1回、1日1回から2回まで服用することが推奨されます。症状や患者の状態により、最大で1日に400mgまで服用できますが、医師の指示に従ってください。

子供の場合は、年齢や体重に応じて用量が異なりますので、医師の指示に従ってください。

副作用

セレコキシブも他のNSAIDsと同様、副作用が発生する可能性があります。主な副作用には以下のようなものがあります。

  1. 胃腸障害: 腹痛、下痢、便秘、悪心、嘔吐など。従来のNSAIDsに比べて胃腸障害のリスクは低いとされていますが、それでも発生する可能性があります。
  2. 頭痛、めまい、眠気などの中枢神経系の症状。
  3. アレルギー反応: 発疹、かゆみ、喘息などのアレルギー症状が現れることがあります。まれにアナフィラキシーショックが起こることもあります。
  4. 腎障害や肝障害: 長期的な使用や高用量での服用が腎臓や肝臓に影響を与えることがあります。
  5. 心血管系の副作用: 高血圧、心臓発作、脳卒中などのリスクが上昇するケースが報告されています。